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金融大学金融大学講座 > クレジットデリバティブ
    
  
特別講座
クレジットデリバティブ
講師:有馬秀次
  
≪講座内容≫

1.クレジットデリバティブとは何か

クレジットデリバティブ(Credit derivatives)は、貸付債権や社債の信用リスクをスワップやオプションの形式で売買する取引です。個別に相対ベースで取引条件を決める店頭取引です。
クレジットデリバティブは、信用リスクをヘッジする目的で開発されました。信用力を指標にして、将来に受け渡す損益を決めます。

従来のデリバティブでは市場リスクを売買しますが、クレジットデリバティブでは信用リスクを売買します。
市場リスクとは、市場価格(金利・株価・為替など)の下落によって、保有資産に損失が生じる可能性(不確実性)のことで、マーケット・リスク(Market risk)ともいいます。
信用リスクとは、貸したお金(社債や貸付債権の元本や利息など)を回収できなくなる可能性(不確実性)のことで、クレジットリスク(Credit risk)、デフォルト(債務不履行)リスク、貸倒れリスク等ともいいます。

信用リスクの売買は、一言でいえば保証の取引ですが、デリバティブという取引形態をとることによって、多種多様な商品が生み出されています。債務不履行に対する保証だけではなく、業績悪化による信用力の低下といった状況を取引の対象とする商品が考案されています。

クレジットデリバティブは、その仕組みから大きく、クレジット・デフォルト・スワップ、トータル・レート・オブ・リターン・スワップ、クレジットリンク債の3種類の商品に分けられます。

ク レ ジ ッ ト デ リ バ テ ィ ブ の 種 類

クレジット・デフォルト・スワップ

債権の保証

トータル・レート・オブ・リターン・スワップ
(TROR)

債券のクーポンと評価損益を
市場金利と交換

クレジット・リンク債(CLN)

信用リスクを他の債券にリンク

               

2.クレジット・デフォルト・スワップ

クレジット・デフォルト・スワップ(Credit Default Swap)は、貸付債権や社債の信用リスクを売買するオプション取引です。

以降、こちらをご覧ください。  クレジット・デフォルト・スワップ(CDS)

3.トータル・レート・オブ・リターン・スワップ

トータル・レート・オブ・リターン・スワップ(Total Rate of Return Swap)は、債券の生み出す全損益(クーポンと評価損益)と、市場金利を交換する取引です。市況などの理由から、保有する債券を売却できない場合に利用される方法です。帳簿上に債券を残したまま、債券を売却した場合と同じ効果が得られます。

トータル・レート・オブ・リターン・スワップの具体例を取り上げてみましょう。
A銀行を、プロテクションの買い手(信用リスクを回避しようとする者)、取引相手のB銀行を、プロテクションの売り手(保証を与える者)とします。
A銀行(保証の買い手)は、B銀行(保証の売り手)に債券のクーポンレートを支払い、代りにLIBOR+αを受取ります。さらに取引最終日には、債券の評価益を交換します。
収益が発生した場合には、A銀行(保証の買い手)が、B銀行(保証の売り手)に評価益を受け渡します。逆に、損失が発生した場合には、B銀行(保証の売り手)が、A銀行(保証の買い手)に評価損を支払います。
評価損益は、スワップ契約開始時の債券価格と、スワップ契約終了時の債券価格の差額を計算したものです。開始時より終了時の価格が値上がりしていれば評価益となり、値下がりしていれば評価損となります。

A  銀 行
保証の買い手

債券のクーポンレート

B  銀  行
保証の売り手

LIBOR+α

債券の評価益を交換
評価益       ← 評価損

スワップの期間中に債券の発行会社が倒産した場合には、発生した評価損は、B銀行(保証の売り手)から支払われるので、A銀行(保証の買い手)は、保有する社債の損失を回避することができます。
このTRORスワップ取引を使うと、A銀行(保証の買い手)は、信用リスクのある債券を売却して安全な債券を購入しておくのと同じ経済的効果が得られます。

※LIBOR(ライボー:London Inter Bank Offered Rate)は、ユーロ市場における、ロンドン銀行間出し手レートです。国際金融取引の指標として利用されています。

4.クレジットリンク債(CLN)

クレジットリンク債は、信用リスクを、別の債券の信用に結びつけた債券です。クレジット・デフォルト・スワップの仕組みを債券に取り入れたもので、クレジット・リンク・ノート(CLN:Credit Linked Note)ともいいます。

クレジットリンク債は、契約で指定する会社に、債務不履行などのクレジット・イベント(信用問題)が発生しなければ、満期日に額面で償還されます。しかし、クレジット・イベントが発生すると、期限前に、指定会社発行の債券で償還されます。

指定会社にクレジットイベントが
発生しない場合

満期日に、額面で償還

指定会社にクレジットイベントが
発生した場合

期限前に、指定会社発行の債券で償還

デフォルトスワップを行うには、保証する側に十分な保証能力が必要です。ところが、クレジットリンク債は、債券を購入するという形で保証を行うため、投資家の信用力に関係なく取引が成立します。投資家に魅力的な商品となるよう、通常の債券よりも表面利率を高く設定します。

クレジットリンク債の具体例を取り上げてみましょう。
クレジットリンク債を特別目的会社が発行するケースです。このクレジットリンク債の信用リスクは、A銀行にリンクしています。投資家がこの商品を購入すると、LIBOR+αのクーポン(変動金利)が、特別目的会社(SPC)から支払われます。
特別目的会社(SPC)は、投資家から受取った資金をA銀行に預金し、LIBORを受取ります。さらに、A銀行の特定債券を保証するデフォルトスワップを結ぶことにより、プレミアムを受取ります。これが投資家に支払われるクーポンの原資となるわけです。

特別目的会社
(SPC)

CLNを発行

資家の購入代金を預金

A銀行

LIBOR

A銀行の特定債券を保証

プレミアム(αを含む)

購入代金↑↓LIBOR+α

 

 

投   資   家

 

 

このように、特別目的会社(SPC)が発行する債券を、クレジットリンク債に構成した商品は、クレジットリンク債の代表的なものです。不良債権の流動化を促進させる効果があるものとして、この商品の活用に期待が寄せられています。

5.クレジットデリバティブ市場

クレジットデリバティブの取引市場は、取引が相対で行われる店頭取引市場です。
市場には、銀行、証券会社、保険会社が参加しています。
1990年代前半にニューヨークで取引が始まって以来、急成長を続けています。米国の商業銀行の2001年3月末残高は、想定元本ベースで3,520億ドル(42兆円)達しています(OCC:米通貨監督庁の調査)。欧米全体では、約8,300億ドル(100兆円)の市場規模に成長しています。
日本の保険会社も欧米の市場に参入しはじめています。外国証券会社を経由しての売買ですが、大手一社で数千億円の信用リスクを引き受けています。

6.クレジットデリバティブの特徴

クレジットデリバティブは、スワップやオプションの取引形態を取り入れることで、商品設計が柔軟に行えます。保証の対象を複数の融資案件にしたり、対象をカントリーリスクにしたり、損益にレバレッジ(倍率)をつけることが可能です。多様な信用リスクに対応できる点が大きな魅力です。
*カントリーリスクとは、海外投融資や貿易取引を行う際、相手国の安定度(政治や経済など)の変化によって、回収不能となる危険の度合いのことです。

また、債券にデリバティブを組み込むことで、転売しやすい商品になります。クレジットリンク債のように、第3者間で自由に売買できるようにすることが可能です。流動性の高い市場では、相場の変動を利用して、一旦売ったクレジットデリバティブを再び買い戻して利鞘を得ることも可能です。

クレジットデリバティブは、貸付先の顧客名と保証金額が提示できれば取引が可能です。他人に知られたくない顧客との取引関係(融資金額や金利などの条件)を、保証相手に知らせずに取引できます。顧客に知られずに匿名で、保証が受けられる取引です。さらに、仲介者が入ると自分の名前も隠してしまえます。

クレジットデリバティブの取引条件の優れた点

柔軟性

取引当事者の話し合いで、取引条件を柔軟に設定できる

流動性

債券にデリバティブを組み込むことで、転売可能な商品となる

匿名性

貸付先の顧客には、内緒で取引できる

クレジットデリバティブは、信用リスクの回避を目的とした取引です。 
プロテクションの買い手(信用リスクを回避しようとする者)は、帳簿に触れずにリスクを回避できます。(1)顧客との関係上、途中返済してもらえない場合、(2)市場流動性の問題から、債券を売却できない場合、(3)与信枠が一杯になった顧客に、さらに与信したい場合 などにクレジットデリバティブの利用が考えられます。
一方、プロテクションの売り手(保証を与える者)は、(1)空いている与信枠を有効に活用したい場合、(2)高利回りの債券に投資したい場合 などにクレジットデリバティブの利用が考えられます。

クレジットデリバティブの利用目的

プロテクションの買い手
 (信用リスクを
   回避しようとする者)

顧客との関係上、途中返済してもらえない場合

市場流動性の問題から、債券を売却できない場合

与信枠が一杯になった顧客に、さらに与信したい場合

プロテクションの売り手
   (保証を与える者)

空いている与信枠を有効に活用したい場合

高利回りの債券に投資したい場合

          

7.クレジットデリバティブの課題

クレジットデリバティブの問題点は、取引条件が標準化されていないことです。
相対取引であるため、取引条件は種々様々です。そのため、取引の公正さが保証されておらず、市場の流動性も乏しいという欠陥があります。
クレジットデリバティブの価格をどのように決めるのか、はっきりとした方法が決まっているわけではありません。信用リスクは、個別企業特有の要因で決まるため、リスクの数量化を難しくしています。これが、価格の透明性に欠ける点です。しかし、標準化が行われないと、流動性は向上せず乏しいままです。取引条件の標準化が必要です。

現在、市場では、ISDA(インターナショナル・スワップ・ディーラーズ・アソシエーション)の契約書のフォーマット(雛型)を使うのが一般的になりつつあります。開示すべき情報を、どのように取引ルールに組み込んで制度化するか…これが今後の課題です。

  
  

≪まとめ≫

1.クレジットデリバティブとは何か

貸付債権や社債の信用リスクを、スワップやオプションの形式で売買する取引

2.クレジット・デフォルト・スワップ

貸付債権の信用リスクを保証をしてもらうオプション取引

3.トータル・レート・オブ・リターン・スワップ

債券の生み出す全損益と、市場金利を交換する取引

4.クレジットリンク債(CLN)

信用リスクを、別の債券の信用に結びつけた債券

5.クレジットデリバティブ市場

相対で行われる店頭取引市場

6.クレジットデリバティブの特徴

商品設計の柔軟性で、多様な信用リスクに対応可能

7.クレジットデリバティブの課題

取引条件や価格評価法の標準化が課題

≪問題≫

クレジットデリバティブは、貸付債権や社債の●●リスクをスワップやオプションの形式で売買する取引です。個別に●●ベースで取引条件を決める店頭取引です。

クレジット・デフォルト・●●ップは、貸付債権の信用リスクを保証してもらうオプション取引です。デフォルト・プットとかデフォルト・●●テクションともいいます。

トータル・レート・オブ・●●ーン・スワップ(TROR)は、債券の生み出す全損益と、市場●●を交換する取引です。市況などの理由から、保有する債券を売却できない場合に利用される方法で、帳簿上に債券を残したまま、債券を売却した場合と同じ効果が得られます。

クレジット●●●債(CLN)は、信用リスクを、別の債券の信用に結びつけた債券で、クレジット・リンク・ノートともいいます。契約で指定する会社に債務不履行などのクレジット・イベントが発生すると、期限前に、指定会社発行の●●で償還されます。

クレジットデリバティブは、スワップやオプションの取引形態を取り入れることで、商品設計が柔軟となり、多様な●●リスクに対応できます。保証の対象を複数の融資案件にしたり、対象をカントリー●●クにしたり、損益にレバレッジ(倍率)をつけることが可能です。

クレジットデリバティブは、●●にデリバティブを組み込むことで、●●しやすい商品になります。クレジットリンク債のように、第3者間で自由に売買できるようにすることが可能です。

クレジットデリバティブは、貸付先の顧客名と保証●●が提示できれば取引が可能です。●●に知られずに匿名で、保証が受けられる取引です。

プロテクションの●●手(信用リスクを回避しようとする者)は、顧客との関係上、途中返済してもらえない場合、市場流動性の問題から債券を売却できない場合、●●枠が一杯になった顧客にさらに与信したい場合などにクレジットデリバティブを利用します。

プロテクションの●●手(保証を与える者)は、空いている●●枠を有効に活用したい場合、高利回りの債券に投資したい場合などにクレジットデリバティブを利用します。

10

クレジットデリバティブの問題点は、取引条件が●●化されていないことです。相対取引であるため取引条件は種々様々で、取引の公正さが保証されておらず、市場の●●性も乏しいという欠陥があります。

≪解答≫

信用、相対

債券、転売

スワ、プロ

金額、顧客

リタ、金利

買い、与信

リンク、債券

売り、与信

信用、リス

10

標準、流動

      
    
  
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