よくわかる!金融用語辞典 【無担保コール翌日物金利】

無担保コール翌日物金利

無担保コール翌日物金利(むたんぽこーるよくじつものきんり)
無担保コールレート(オーバーナイト物)(むたんぽこーるれーと)
overnight call rate(オーバーナイト・コール・レート)
uncollateralized overnight call rate(アンコラタライズド・オーバーナイト・コール・レート)
O/N

無担保コール翌日物金利

無担保コールレート(オーバーナイト物)は、コール市場で、金融機関同士が短期資金を貸し借りするときの利率です。「無担保で翌日返済」という条件であることから、無担保コール翌日物金利とも呼んでいます。
※コール市場とは、金融機関が日々の資金過不足を最終的に調整しあう場のことです。

 

現在、無担保コールレート(オーバーナイト物)は、公定歩合にかわって、日本の政策金利となり、金融政策の誘導目標金利の役割を果たしています。

 

無担保コールレート(オーバーナイト物)は、日本銀行の政策委員会・金融政策決定会合で決定します。

 

無担保コール翌日物金利

 

 

 

無担保コールレート(オーバーナイト物)を上げると、市場金利が上がります。
長期金利が上昇すると、債券価格は下がります。
市場金利が上昇すると、企業のコストが増えます。企業収益の悪化が懸念されると、株価は下落します。

 

無担保コール翌日物金利

 

逆に、無担保コールレート(オーバーナイト物)を下げると、市場金利が下がります。
長期金利が低下すると、債券価格は上がります。
市場金利が低下すると、企業のコストが減ります。企業収益の好転が期待されると、株価は上昇します。

 

無担保コール翌日物金利

 

 

 

金融政策

 

日本銀行は、景気の加熱時や悪化時に、金融市場に資金を供給または吸収することで、金利水準を変更します。
マネーストック(貨幣供給量)を増減させることで、経済活動の勢いを調整します。これを金融政策といいます。

 

マネーストックを増減させるには…?
政策金利である無担保コールレート(オーバーナイト物)を上げ下げする。
※無担保コールレート(オーバーナイト物)は、公開市場操作(オペレーション)によって、金融調節方針の目標金利まで誘導されています。

 

景気が過熱すると、継続的な物価上昇(インフレ)が懸念されるため、金融市場への資金供給を減らすことで、景気を抑制します。これを金融引き締めといいます。

 

逆に、景気が悪化すると、継続的な物価下落(デフレ)が懸念されるため、金融市場への資金供給を増やすことで、景気を刺激します。これを金融緩和といいます。

 

無担保コール翌日物金利

 

 

 

金融市場調節

 

通常の金融政策
通常、金融政策は、日本の政策金利である無担保コールレート(オーバーナイト物)という短期金利を変更することで行われます。
この場合、金融調節方針は、「無担保コールレート(オーバーナイト物)を0.5%前後で推移するよう促す」というように発表されます。

 

ゼロ金利政策(異例の政策)
1999年2月、バブル経済崩壊後に景気が低迷し、デフレが懸念されたことから、無担保コールレート(オーバーナイト物)をできるだけ低くする金融緩和政策を導入しました。金利をゼロに近い水準まで下げることから、これをゼロ金利政策といいます。
このとき、金融調節方針は、「無担保コールレート(オーバーナイト物)をできるだけ低めに推移するよう促す」と発表されました。

 

量的緩和政策(異例の政策)
2001年3月、無担保コールレートがすでにゼロ水準にあり、これ以上金利変更による金融緩和政策が効果を発揮しないとの判断から、資金量(日本銀行の当座預金残高)に直接働きかけて景気を刺激する金融緩和政策を導入しました。資金量を調節することで金融緩和を行うことから、これを量的緩和政策といいます。
このとき、金融調節方針は、「日本銀行当座預金残高が5兆円程度となるよう金融市場調節を行う」と発表されました。

 

無担保コール翌日物金利

 

 

無担保コールレート(オーバーナイト物)の推移

 

無担保コール翌日物金利
(FAA調査部作成)

 

無担保コール翌日物金利

 

(資料:日本銀行 金融市場調節方針等に関する決定事項)
※1:2001年9月11日の米同時多発テロへの対応。
※2:日本郵政公社の発足に伴う措置。

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