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1.公社債の運用
≪債券ポートフォリオ≫
金融資産の組み合わせのことをポートフォリオといいます。債券の資金運用も、複数の債券を組み合わせて行います。
投資の目的は、より多くの利益(リターン)を上げることですが、その利益を実際に得られるかどうか、という不確実性の問題があります。この不確実性のことをリスクと呼んでいます。確実に目標リターンが実現されるのであれば、リスクはゼロです。
リターンが実現するかどうかは、将来のことですから、現時点ではわかりません。投資には、必ずリスクが伴います。目標リターンが10%と決まっている2つの案件が提示されたら、リスクの小さい方に投資をすることになります。
ポートフォリオを組む場合と単独の債券に投資する場合では、ポートフォリオを組んだ方がリスクを低く抑えられるという効果が知られています。
≪債券ポートフォリオの型≫
債券ポートフォリオの資産構成は、大きく3つの型に分けられます。右肩下がり型、右肩上がり型、バランス型です。
◆右肩下がり型
右肩下がり型は、短期債を中心に保有するポートフォリオです。
◆右肩上がり型
右肩上がり型は、長期債を中心に保有するポートフォリオです。
◆バランス型
バランス型は、短期債から長期債までを均等に保有するポートフォリオです。バランス型には、ラダー型とダンベル型があります。
ラダー型(はしご型)は、短期債、中期債、長期債を均等に保有するポートフォリオです。
ダンベル型(バーベル型)は、中期債を持たないで、短期債と長期債を均等に保有するポートフォリオです。
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債券ポートフォリオの資産構成 |
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右肩下がり型
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短期債を中心に保有
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右肩上がり型
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長期債を中心に保有
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バランス型
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短期債から長期債までを均等に保有 ・ラダー型…短期債、中期債、長期債を均等に保有 ・ダンベル型…短期債と長期債を均等に保有 (中期債を持たない)
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≪売買手法≫
保有債券の一部を入れ替える操作を入替売買といいます。入替売買を行う目的には、リターンを向上させる場合と、リスクを低減させる場合があります。
入替売買を通して、ポートフォリオの構成を組替えます。
◆金利見通しによる入替
金利の低下(価格上昇)が予想される場合に、短期債から中長期債への入替えを行います。中長期債の方が、価格変動性が大きいからです。
逆に、金利の上昇(価格低下)が予想される場合には、中長期債から短期債への入替えを行います。短期債の方が、価格変動リスクが小さいからです。
この入替売買は、予想がはずれると、大きな損失を被ることになります。
◆最終利回りアップの入替
イールドカーブが順イールド(短期金利より長期金利の方が高い状態)であるとき、短期債から中長期債への入替えや、流動性の低い銘柄への入替えを行います。
最終利回りの向上を図る入替えは、金利変動リスクを高めたり、流動性(換金性)を悪くするという犠牲を払うことになります。
◆直利アップの入替
期間収益を重視する場合には、直利の高い(利率の高い)銘柄に入替えます。
◆時間差入替
債券の売却時期と、入れ替えを行う債券の購入時期をずらします。
売付けを先行させる場合を「時間差入替」、買付けを先行させる場合を「逆時間差入替」といいます。
◆流動性アップの入替
社債などの流動性の低い銘柄から、国債などの流動性の高い銘柄への入替えを行います。
流動性(換金性)を高める代わりに、リターンを犠牲にすることになります。
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入替売買…保有債券の一部を入れ替える操作
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金利見通しによる入替
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金利低下(価格上昇)予想…短期債⇒中長期債 金利上昇(価格低下)予想…中長期債⇒短期債
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最終利回りアップの入替
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イールドカーブが順イールドの場合 短期債⇒中長期債、流動性の低い銘柄へ
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直利アップの入替
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期間収益を重視する場合 直利の高い(利率の高い)銘柄へ
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時間差入替
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債券の売却時期と、債券の購入時期をずらす 売付け先行…時間差入替 買付け先行…逆時間差入替
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流動性アップの入替
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社債などの流動性の低い銘柄の場合 国債などの流動性の高い銘柄へ
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2.ポートフォリオ運用戦略
債券の運用姿勢から、大きく2つの戦略に分けることができます。アクテイブ運用とパッシブ運用です。
アクティブ運用とは、積極的にリスクをとって、リターンの向上を目指す戦略です。
一方、パッシブ運用とは、リスクを負うことに対して慎重で、安定したリターンを目指す戦略です。
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ポートフォリオ運用戦略 |
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アクティブ運用 リターン追及型 (ハイリスク)
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金利予測
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集中投資型
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ミスプライシング発掘
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割安銘柄との入替売買
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パッシブ運用 リターン確定型 (ローリスク)
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バランス型 (安定満期構成)
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ラダー型
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ダンベル型
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インデックス
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債券指数に連動
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デディケーション
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キャッシュフローマッチング |
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イミュニゼーション
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≪アクティブ運用≫
アクティブ運用とは、積極的にリターンを上げるために、投資機会を捉えていく戦略です。
アクティブ運用には、将来の金利予測に基づく戦略と、ミス・プライシング銘柄の発掘を行うという2つの戦略があります。
(a)金利予測に基づく戦略
金利低下(債券相場の上昇)が予想される場合、値上がり幅の大きい長期債を中心にポートフォリオを組みます。ポートフォリオは、右上がり型になります。
逆に、金利上昇(債券相場の下落)が予想される場合、値下がり幅の小さい短期債中心のポートフォリオを組み、値下がりによる損失を最小限に抑えます。ポートフォリオは、右下がり型になります。
(b)ミス・プライシング銘柄発掘
債券市場で割安の銘柄を見つけて、保有債券の割高銘柄との入替を行う戦略です。
≪パッシブ運用≫
パッシブ運用は、一定のルールに基づいて機械的に運用する手法です。パッシブ運用は、大きく3つに分類されます。
(a)バランス型
購入した債券を満期まで保有するという運用方法です。ポートフォリオを金利リスクに関係になく、一定のリターンを得られるように組み合わせる方法です。ラダー型とダンベル型があります。
◆ラダー型
短期債から中長期債までを均等に保有します。ポートフォリオは、はしごを横にねかせたような形になります。
償還される短期債の資金は、長期債に再投資していきます。短期債を一定比率で保有して、流動性(換金性)を確保します。
金利が変動しても、短期債と長期債の損益が打ち消しあい、一定のリターンが得られるという方法です。
◆ダンベル型(バーベル型)
中期債を持たないで、短期債と長期債を均等に保有します。ポートフォリオは、ダンベルに似た形になります。
(b)インデックス運用
債券指数に連動するポートフォリオを構築する方法です。指数は、市場の平均収益率を示します。
(c)デディケーション
デディケーションには、キャッシュフロー・マッチング戦略と、イミュニゼーション戦略があります。
◆キャッシュフロー・マッチング戦略
将来の支払い額が確定している負債のキャッシュフローに合わせて、債券を運用する方法です。
この運用方法には、リバランス(調整)は不要です。信用リスクのみを負います。
◆イミュニゼーション戦略
デュレーションを使って、ポートフォリオの金利変動リスクを排除する手法です。ポートフォリオのデュレーションの投資期間を一致させる方法です。
高利回りのときに運用利回りを確保するのに、イミュニゼーション戦略が利用されます。この運用方法には、リバランス(調整)が必要です。
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デディケーション |
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キャッシュフロー・ マッチング
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負債のキャッシュフローに合わせて債券を運用 リバランスは不要
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イミュニゼーション
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デュレーションを使って金利変動リスクを排除 リバランスは必要
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3.リスクとリターン
公社債の運用は、リスクとリターンの兼ね合いが重要な課題です。
公正で自由な市場では、予定されているリターンが高い場合には、リスクも大きくなります。これをハイリスク・ハイリターンと呼んでいます。公正で自由な市場とは、市場参加者に情報が行き渡っている市場です。これを効率的市場と呼んでいます。
効率的市場には、割安銘柄というものは存在しません。そのため、債券市場が効率的市場と考える投資家は、パッシブ戦略をとることになります。効率的市場での入替売買には、リターンを増やそうとするとリスクも増大するといった関係があります。
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