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1.利回り
利回りとは、投資した元本に対する収益の割合です。1年当たりの収益率を年利回りといい、%で表示します。投資元本100円に対して1年間に10円の収益がある時、利回りを10%p.a.と表します。「p.a.」とは、(per
annum パーアナム)の略で、「1年につき」と言う意味です。10%は、年率10%を意味します。
利回りは、収益の元本に対する割合なので、「収益」と「元本」を何にするかによって「利回り」の意味も変わってきます。債券の利回りでは、何を収益と見なすかで「直利」と「単利」に、また、元本を変更するかどうかで「単利」と「複利」に、という違った計算方法が生まれています。
≪債券投資の収益≫
債券投資の収益は、(1)クーポン収入、(2)売却差益、(3)クーポン収入の再投資収益 の3つからなっています。
(1)クーポン収入
利札による収入のことで、インカムゲインといいます。
(2)売却差益
債券の購入金額と売却金額の差額のことで、債券が高く売れたことによる収益です。一般にキャピタルゲインとか、償還差益と呼んでいます。
逆に売却により損失が出たときは、キャピタルロスとか、償還差損と呼んでいます。
(3)クーポン収入の再投資収益
受取ったクーポン収入を再投資して得られる収益です。
債券収益のどの部分に焦点をあてるかで、「直利、単利、複利」の3つの利回り尺度が使われています。
直利は、クーポン収入のみに注目した利回りです。単利は、クーポンと償還損益の両方に注目した利回りです。複利は、クーポンと償還損益及びクーポンの再投資収益に注目した利回りです。
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直利
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クーポン収入のみに注目した利回り
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単利
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クーポンと償還損益の両方に注目した利回り
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複利
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クーポンと償還損益及びクーポンの再投資収益に注目した利回り
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2.直利(直接利回り)
直利は、投資した金額に対して支払われるクーポン収入の割合です。年間クーポン収入を投資元本で割ったものです。単年度の損益を重視する傾向のある企業が利用する利回りです。債券利回りの計算は、小数点4位以下を切り捨て第3位までを計算します。
3.単利(単利利回り)
単利は、単年度で収益率を測定する方法で、利回りを計算するための元本金額を変えない方法です。日本の債券市場では、単利ベースの利回りを取引に使っています。
利付債の単利利回りは、債券の保有期間の違いから異なる呼び方をします。
所有期間利回りは、債券を購入して満期を待たずに売却した場合の利回りです。
応募者利回りは、債券を発行時から最終償還日まで所有した場合の利回りです。最終利回りは、すでに発行されている債券を最終償還日まで所有した場合の利回りです。
どれも計算の考え方は同じですから、所有期間利回りを一般式として理解しておけば十分です。
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利付債の 単利利回り
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所有期間利回り
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債券を購入して満期を待たずに売却した場合
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応募者利回り
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債券を発行時から最終償還日まで所有した場合
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最終利回り
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すでに発行されている債券を最終償還日まで所有した場合
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買付日 |
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売却日 |
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発 行 日 |
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所 有 期 間 利 回 り |
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償 還 日 |
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応 募 者 利 回 り |
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最 終 利 回
り |
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所有期間利回り=[年利子+(売却価格−買付価格)÷所有年数]÷買付価格×100
クーポンレート10%p.a.(年利子)の債券を買付価格90円、売却価格95円で5年間保有した場合。 12.222%p.a.=[10+(95−90)÷5]÷90×100 |
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応募者利回り=[年利子+(額面−発行価格)÷償還年数]÷発行価格×100
所有期間利回りの「売却価格→額面」、「買付価格→発行価格」、「所有年数→償還年数」に変更したもの。 12.222%p.a.=[10+(100−90)÷10]÷90×100 但し、発行価格=90円、償還年数=10年、年利子=10% |
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最終利回り=[年利子+(額面−買付価格)÷残存年数]÷買付価格×100 所有期間利回りの「売却価格→額面」、「所有年数→残存年数」に変更したもの。 13.888%p.a.=[10+(100−90)÷4]÷90×100 但し、買付価格=90、残存年数=4年、年利子=10%とする。 |
4.割引債の計算
割引金融債で期間1年以下の年利回りは、単利で計算します。
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割引債利回り=[(100−買付価格)÷買付価格]×365÷残存日数×100
買付価格95円、残存期間182日の割引債の年利回りは、
割引債利回り=[(100−95)÷95]×365÷182×100
=10.555%p.a. |
5.複利(複利利回り)
複利は、クーポン収入を投資元本に組み入れたものを新たな元本として計算する方法です。クーポン収入を銀行に預ければ、いくらかの利息が付くはずです。これを収益率に加味しようというものです。欧米の債券市場では、複利利回りが一般に使われています。
複利の仕組みは、複利ベースの銀行預金で理解することができます。
預金元本100万円を年利10%で2年間預けると、2年後の元利合計は、121万円となります。これは、1年目の元利合計の110万円を2年目の新たな元本として計算した結果です。
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年数 元本×(1+金利)=元利合計
2 100×(1+0.1)=121 |
単利で計算すると、毎年10万円ずつ利息が支払われて、2年後の元利合計は、120万円にしかなりません。
元本×(1+金利×年数)=元利合計
100×(1+0.1×2)=120
単利と複利では、2年目以降の元利合計金額が違ってきます。複利の元利合計の増え方は、ころがる「雪だるま」に例えられます。この複利計算式を変形すると、元本100万円と元利合計121万円から複利金利を計算する式を作ることができます。
6.利付債の複利利回り
利付債の複利利回りを直接計算する簡単な計算式はありません。利付債の複利利回りは、債券の数年後の価値と、購入資金を複利で数年間運用した場合の価値が等しくなるような利回りです。計算は、式に任意の値を入れて試行錯誤で求めます。
例えば、2年後の債券価値=Pn円、償還価格=100円、残存期間=2年、クーポンレート=5%、買付価格=95円、利回り=rとして計算式をおくと、
2年後に債券から得られるクーポン収入と償還金額の合計は、
Pn=5+5×(1+r)+100……(1) となります。
95円の資金を2年間で複利運用すると元利合計は、Pn=95×(1+r)^2……(2) となります。(
^
はベキ乗の記号で、5^2=5×5を意味します。)
(1)式は、債券から考えた債券価値です。(2)式は、投資金額から考えた運用合計額です。(1)式と(2)式は、等しいはずです。r
にいろいろな数字を入れて合計を計算していくと、r
=0.078(7.8%)を入れた場合に(1)式と(2)式が等しくなります。
Pn=5+5×(1+0.078)+100=110.39
Pn=95×(1+0.078)^2=110.39
したがって、この利付債の利回りは、7.8%と計算されます。
実務では、専用の関数電卓等で簡単に計算できますので、計算式がなくても問題ありません。
7.割引債の複利利回り
期間1年超の割引債の年利回りは複利で計算します。
複利預金の元利合計の計算式を変形すると、利回りを計算する式が得られます。元利合計を額面金額、元本を購入価格に入れ替えると、下記の計算式が得られます。
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