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1.外国為替市場
外国為替の売買が行われる場のことを、外国為替市場といいます。 外国為替市場は、2つに大別されます。銀行間で行われる取引市場と、銀行が対顧客を相手に行う取引市場です。前者をインターバンク市場(銀行間市場)、後者を対顧客市場と呼んでいます。通常、外国為替市場という場合、インターバンク市場を指します。
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外国為替市場 |
インターバンク市場(銀行間市場) |
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対顧客市場 |
外国為替市場の参加銀行やブローカーの間には、専用の電話回線が敷いてあります。その電話回線を通して取引を行うところから、外国為替市場のことをテレフォン・マーケットと呼んでいます。最近では、ロイターの通信端末などのモニター画面を使って取引を行う、電子ブローキングに変わってきているため、「スクリーン・マーケット」と呼ばれているようです。
外国為替市場は、シドニー、東京、香港、シンガポール、チューリッヒ、パリ、ロンドン、ニューヨークなどの世界各国の都市に存在している、24時間オープンの市場です。各市場の取引時間帯は、時差のため少しずつ重なって、ずれています。1日の最初の市場は、オーストラリアのシドニーに始まり、東京、香港、シンガポール、ロンドン、ニューヨークと地球をひとまわりします。
東京市場には、取引制限時間はありません。しかし、以前、取引時間が制限されていた頃の慣習で、午前9時から午後3時30分が東京市場の主要な取引時間帯となっています。
外国為替市場の1日の平均取引高は世界全体で1兆2300億ドル、東京市場は1486億ドルです(1998年日銀調査)。世界では、ロンドン、ニューヨークに次ぐ第3位の市場です。
2.インターバンク市場
インターバンク市場は、銀行、外国為替ブローカー、通貨当局の三者から構成されています。インターバンク市場での取引の主役は銀行です。 インターバンク取引は、銀行間同士で直接取引を行う直取引(ダイレクト・ディーリング)とブローカーを経由する取引から成り立っています。 直取引のメリットは手数料が不要な点で、比較的大きな額を一度に取引することが可能です。
≪取引の実際≫
◆直取引
直取引を行う場合、まず、A銀行がB銀行をスクリーン上に呼び出して、値(外国為替レート)を求めます。B銀行は、これに応えて建て値を提示します。建て値は、必ずビッド(買値)とオファー(売値)の両建てで行います。
A銀行が売りたければB銀行の提示したビッド(買値)の値で売り、A銀行が買いたければB銀行の提示したオファー(売値)の値で買います。
A銀行が、その建て値で取引することをB銀行に告げると、取引は成立します。B銀行は、取引の成立をA銀行に確認します。B銀行が提示した値が気に入らなければ、A銀行は取引に応じる必要はありません。
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A銀行 |
B銀行を呼び出し、値を求める |
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↓ |
↓ |
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B銀行 |
建て値(ビッドとオファーの両建て)を提示 |
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↓ |
↓ |
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A銀行 |
B銀行に、取引することを告げる⇒取引成立 |
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↓ |
↓ |
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B銀行 |
A銀行に、取引成立を確認 |
◆為替ブローカーを介する取引
外為ブローカーを介して取引する場合、銀行は売買の注文(通貨の種類、希望取引金額、希望レート)をブローカーに提示します。この注文は、売りか買いのどちらか一方の注文です。ブローカーは、取引銀行から出された買値と売値の中で、最も高い買値と最も安い売値を市場レートとします。そこで、売りたい銀行はブローカーが提示する買値で、買いたい銀行はその売値で取引を行います。取引相手の銀行名は、取引成立後はじめてブローカーから告げられます。
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銀行 |
売買の注文をブローカーに提示 |
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↓ |
↓ |
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ブローカー |
最も高い買値と最も安い売値を市場レートとする |
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↓ |
↓ |
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銀行 |
ブローカーの提示する値で取引を行う 取引成立後、取引相手の銀行名を告げられる |
≪取引参加者≫
◆銀行
東京市場には、邦銀と外銀を合わせて約350行の銀行が取引に参加しています。これらの外国為替取引(外国為替業務や両替業務)を行う銀行を、外国為替公認銀行といいます。
これまで、外国為替取引は「外国為替及び外国貿易管理法(外為法)」によって、必ず外国為替公認銀行と行うように制限されていました。これを「為銀主義(ためぎんしゅぎ)」といいます。 しかし、1998年4月の外為法改正で為銀主義は撤廃され、外国為替取引は、企業間でも自由に行えるようになりました。
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為銀主義 |
外為取引は外国為替公認銀行を通じて行う、とする制限 |
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1998年の外為法改正で撤廃 |
銀行は、対顧客取引のカバー取引と、為替差益を狙った投機目的の売買(ディーリング)のために、外国為替取引を行います。
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外為取引の目的 |
対顧客取引のカバー取引 |
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為替差益を狙った投機目的の売買 |
銀行は、顧客との取引により外国為替ポジションが発生します。このポジションを調整するために、他の銀行と外国為替取引を行います。これが対顧客取引のカバー取引です。
ある企業が海外送金のために、A銀行から円を対価として100万ドル買ったとします。A銀行の外国為替ポジションは、100万ドルの売り持ち(ショート)になります。A銀行が為替リスクを持ちたくなければ、外国為替市場で反対取引(100万ドルの購入)をして、ポジションをスクェアー(ゼロ)にします。これがカバー取引です。
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A銀行の取引内容 |
A銀行の外国為替ポジション |
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A銀行が企業に100万ドルを売る |
100万ドルの売り持ち(ショート) |
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A銀行が外国為替市場で反対取引 (100万ドルの購入)を行う |
スクェアー(ゼロ) ⇒カバー取引 |
相場の先行きに見通しがある場合には、銀行はポジションを保持することで、為替差益を狙います。
◆外国為替ブローカー
銀行間の外国為替取引を仲介する業務を行うものを、外国為替ブローカーといいます。ブローカーは、自ら為替ポジションをもつことはありません。ブローカーの収益は、外国為替取引仲介により、双方の銀行から受取る売買仲介手数料(ブローカレージ)です。 銀行がブローカーを利用するのは、銀行の都合の良いときにだけ売買を行えるからです。銀行は、ブローカーに対して建て値をする必要はありません。 ブローカー経由の取引は、インターバンクの市場取引の3割弱を占めています。しかし、電子ブローキングの発達により、ブローカー経由の取引の割合は減少傾向にあります。ブローカー会社には、東京フォレックス、メイタントラディション、上田ハロー等が知られています。
◆通貨当局
通貨当局とは、財務省(旧
大蔵省)及び日本銀行のことをいいます。 為替相場が乱高下すると、経済に悪影響を及ぼします。相場の乱高下を防ぐために市場に介入することをインターベンションといいます。
例えば、日本銀行が、100円以下の円高は好ましくないと判断したとします。すると日本銀行は、ドル買い円売り介入をして、ドルが100円を下らないようにします。
市場介入の資金は、外国為替資金特別会計で賄います。ドル売りであれば、外貨準備のドルを使います。ドル買いであれば、政府短期証券を発行して、円を調達して介入資金にあてます。 ※政府短期証券(FB)は、国庫の一時的な資金不足を補うために政府が発行する短期国債です。
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イ ン タ ー バ ン ク 市 場 ( 銀 行 間 市 場
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銀行
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対顧客取引のカバー取引
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為替差益を狙った投機目的の売買(ディーリング)
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外国為替ブローカー
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銀行間の外国為替取引を仲介する業務を行う
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通貨当局
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市場介入…ドル売りであれば、外貨準備のドルを使う
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市場介入…ドル買いであれば、政府短期証券を発行
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3.対顧客市場
対顧客市場は、銀行が商社、生命保険会社、損害保険会社、メーカー、その他の事業会社等の顧客を相手に取引を行う市場です。対顧客レートは、インターバンク市場の外国為替レートに基づいて値決めをしています。
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