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金融大学  外国為替入門講座

講師 :有馬秀次

第5回 外国為替決済メカニズム

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1.外国為替決済メカニズム

外国為替は、現金を動かすことなく海外との資金決済を行う方法です。日本の銀行は、送金小切手電信指図という手段を使い、海外の銀行に立替払いをしてもらって決済します。海外の銀行が、日本の銀行に代わって、送金小切手の呈示をした人にお金を支払ってくれるのです。
その仕組みは、日本の銀行が、あらかじめ海外の銀行に開いておく預金勘定にあります。
送金小切手は、その預金からお金を支払ってもらうための支払指図書の役目をします。海外の銀行においてある「預金勘定」の振替機能が、決済の秘密です。

≪送金(並為替)の場合≫

今、日本の日本商事が、米国のアメリカ社へ100万ドルの電信送金を行うとします。この時、日本商事は、取引銀行である東銀行へ行って送金の依頼をします。1ドル=100円とすると、日本商事は、東銀行から100万ドルを購入して、米国に送金することになります。日本商事は、1億円の円でドルを買います。
東銀行は、日本商事の円口座から1億円を引き落とし、コルレス銀行先であるニューヨーク銀行へ、アメリカ社に対して100万ドルを支払うよう指図する電報を打つのです。
電信指図を受けたニューヨーク銀行は、自行にある東銀行のドル口座から100万ドルを引き落として、アメリカ社の口座に振り込むという仕組みです。こうして、実際に現金を送ることなく、銀行の仲介で送金が行われます。

日本商事

東銀行に送金依頼
・東銀行に1億円支払(100万ドル購入)

    ↓

            ↓

東銀行

ニューヨーク銀行に電信指図
・日本商事の円口座から1億円引き落とす
・アメリカ社に100万ドル支払うように依頼

    ↓

            ↓

ニューヨーク銀行

・東銀行のドル口座から100万ドル引き落とす
アメリカ社の口座に100万ドル振り込む

これは並為替の例ですが、お金を取り立てる逆為替の場合も、口座振替で決済することができます。

≪取立て(逆為替)の場合≫

日本商事が米国のアメリカ社に100万ドルの商品を輸出するケースを取り上げてみましょう。日本商事は、アメリカ社を支払人とし、東銀行を受取人とする額面100万ドルの外国為替手形を振り出します。これを船積書類とともに東銀行に持ち込みます。
東銀行は、この外国為替手形を買い取り、円に替えて日本商事の口座に1億円を振り込みます。東銀行が、日本商事に対して立替払いをしています。実際には、手数料として手形割引料や為替手数料を差し引かれるので、日本商事の口座への振込額は少なくなります。
東銀行は、ニューヨーク銀行へ為替手形と船積書類を郵送し、ニューヨーク銀行にアメリカ社への代金取立を依頼します。
ニューヨーク銀行は、為替手形をアメリカ社に呈示し、アメリカ社の口座から100万ドル引き落として東銀行の口座に振り込みます。
ここでも、ニューヨーク銀行にある東銀行の預金口座が決済の役割を果たしています。

日本商事

外国為替手形と船積書類を東銀行に持ち込む

    ↓

               ↓

東銀行

外国為替手形を買取り、日本商事の口座に1億円振り込む
ニューヨーク銀行に、為替手形と船積書類を郵送
ニューヨーク銀行に、アメリカ社への代金取立を依頼

    ↓

               ↓

ニューヨーク銀行

アメリカ社の口座から100万ドル引き落とす
東銀行の口座に100万ドル振り込む

2.コルレス契約

外国為替の決済は、海外の銀行に預金口座を持っていることが必要なわけですが、すべての銀行に預金口座を作っておくのは大変です。そこで、預金口座をおいていない銀行とは、他の銀行がもつ預金取引関係を利用して、間接的に決済する取り決めを行っています。

例えば、東銀行が預金口座を設けていないサン銀行に送金したい場合、ニューヨーク銀行がサン銀行に預金勘定をおいていれば、一旦、ニューヨーク銀行がサン銀行に立替払いをし、ニューヨーク銀行にある東銀行の預金勘定で決済することができます。

内国為替は、一般に中央銀行においてある預金勘定で決済されるため、国内の銀行同士では、預金の預け合いがなくても決済されます。しかし、外国為替の決済では、あらかじめ海外の銀行との間で、個別に決済に関する取り決めをしておくことが重要になります。

そこで、日本の銀行は、海外の銀行との間で為替業務の代行に関する契約を結んでいます。これを為替取引契約(Agency Agreement)といい、この契約の相手先のことをコルレス(Correspondent)と呼んでいます。コルレス契約では、手形の取立依頼、送金の支払委託、信用状の授受、決済勘定などの取決めを行っています。

コルレス先で預金勘定をおいている取引銀行先をデポ・コルレス(Depository Correspondent)といいます。また、預金勘定のことを為替決済勘定と呼んでいます。
一方、為替決済勘定をおいていない先を
ノン・デポ・コルレス(Non Depository Correspondent)といいます。ノン・デポ・コルレス先の口座振替は、他の銀行を通して間接的に行われます。

コルレス先

デポ・コルレス

為替決済勘定をおいている取引銀行先

ノン・デポ・コルレス

為替決済勘定をおいていない取引銀行先

デポ・コルレス先の預金は、並為替で勘定が引き落とされる一方、逆為替では入金が行われます。この出金と入金が相殺されて、口座勘定の残高は、僅かな増減に収まります。
決済勘定残高の過不足調整は、為替市場で外貨を売買して調整されることになります。

≪まとめ≫

為替取引契約

日本の銀行が海外の銀行と結んでいる、為替業務の代行に関する契約

コルレス…為替取引契約の相手先のこと

デポ・コルレス…コルレス先で、為替決済勘定をおいている取引銀行

ノン・デポ・コルレス…コルレス先で、為替決済勘定をおいていない取引銀行

≪問題≫

外国為替は、●●を動かすことなく海外との資金決済をする方法です。 日本の銀行が、●●小切手や電信指図という手段を使って、海外の銀行に立替払いをしてもらって決済しています。

海外の銀行が、日本の銀行に代わって●●小切手の呈示をした人にお金を支払ってくれます。日本の銀行は、あらかじめ、海外の銀行に●●勘定を開いておきます。

並為替だけではなく、お金を取り立てる●為替の場合も、海外の銀行においてある預金●●の振替機能で決済することができます。

外国為替の決済は、海外の銀行に●●口座を持っていることが必要です。預金口座をおいていない銀行とは、他の銀行がもつ預金取引関係を利用して、●●的に決済する取り決めを行っています。

●●為替の場合は、中央銀行においてある預金勘定で決済します。●●為替の場合は、あらかじめ海外の銀行との間で、個別に決済に関する取り決めをしておきます。

日本の銀行は、海外の銀行との間で為替業務の代行に関する契約を結んでいます。これを為替●●契約といい、この契約の相手先のことを●●●スと呼んでいます。

コルレス契約では、●●の取立依頼、送金の支払委託、●●状の授受、決済勘定などの取決めを行っています。

コルレス先で預金勘定をおいている取引銀行を●●・コルレスと呼んでいます。また、預金勘定のことを為替●●勘定と呼んでいます。

為替決済勘定をおいていない取引銀行をノン・●●・コルレスといい、他の銀行を通して●●的に口座振替が行われます。

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デポ・コルレス先の預金は、●為替で勘定が引き落とされる一方、●為替では入金されます。この出金と入金が相殺されて、口座勘定の残高は、僅かな増減に収まります。勘定残高の過不足調整は、為替市場で●●を売買して調整されます。

≪解答≫

現金、送金

取引、コルレ

送金、預金

手形、信用

逆、勘定

デポ、決済

預金、間接

デポ、間接

内国、外国

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並、逆、外貨

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