よくわかる!金融用語辞典 【保険会社(3)保険業の自由化】

保険会社(3)保険業の自由化

保険会社(ほけんがいしゃ)
insurance company(インシュランス・カンパニー)

保険会社(3)保険業の自由化

生命保険と損害保険の相互参入の自由化、保険商品の自由化、保険料の料率の自由化など
保険会社の再編、株式会社化(相互会社から株式会社へ)

 

≪金融自由化≫

 

保険業界にも金融自由化が始まりました。1996(平成8)年4月に改正した新保険業法では、子会社を通した生命保険と損害保険の相互参入が自由化されました。また、保険商品の自由化や保険ブローカー(保険中立人)制度の導入なども取り入れられています。
※保険ブローカーとは、保険会社には所属せず、保険の契約者と保険会社の間に入って契約の仲介を行う業者のことをいいます。

 

1998(平成10)年7月には、保険料の料率が自由化されました。保険業界は本格的な競争時代に入り、銀行と同様にリスク管理に対する意識の強化が求められています。

 

保険会社(3)保険業の自由化

 

≪組織変更への動き≫

 

金融自由化により保険業界の競争が激化し、合併・再編への動きが活発化しています。また、保険会社の形態を相互会社から株式会社へ移行する動きが目立っています。

 

◆生損保の主な合併・統合

 

保険会社(3)保険業の自由化

 

◆株式会社化(相互会社から株式会社へ)

 

株式会社化とは、保険会社が相互会社から株式会社へと、会社形態を転換することをいいます。

 

相互会社は、株主による出資金ではなく、保険契約者(社員と呼ぶ)の支払う保険料などで運営する非営利の組織で、保険会社だけに設立が認められています。外資系保険会社や損害保険会社はほとんどが株式会社ですが、日本生命や第一生命などの大手生命保険会社は相互会社となっています。

 

株式会社に転換するにはかなりの手間と費用が掛かりますが、(1)会社経営の透明性が高い、(2)外部から資金調達しやすい、(3)株式交換比率が算出できるため合併が容易である、などの利点があります。また、保険業の自由化に伴い競争が激化したことから、自由な企業戦略を立てやすい株式会社に転換する動きが見られます。

 

株式会社化すると、保険契約者(社員)には、予定利率や保険商品の種類、契約金額などから算定された「保険会社への貢献度」に応じて、株式が割り当てられます。ただし、貢献度が低い場合には、株式の割り当てがない場合もあります。

 

2004(平成16)年4月現在、朝日生命、住友生命、第一生命、日本生命、富国生命、明治安田生命は相互会社の形態をとっています。

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