すぐわかる!政治・経済用語集【国家のあり方】

国家のあり方

すぐわかる!政治・経済用語集【経済編】

 

 

第1章 民主政治の基本原理

4.国家のあり方

2022年3月 有馬秀次 監修

(1)王権神授説

(おうけんしんじゅせつ)

王権神授説

王権神授説とは、「王権は神から授けられたもので、 神聖で絶対的なものであり、 国王の命令に対して何人も逆らえない」 とする政治思想のことです。神権説帝王神権説ともいいます。
王権神授説は、絶対王政の根拠とされた思想です。これにより、 16~18世紀のヨーロッパでは、君主(国王) が絶対的な権力をふるいました。
【王権神授説の提唱者】
主な提唱者に、イギリス国王ジェームズ1世(1566-1625、在位1603-25)、 イギリスの思想家サー・ロバート・フィルマー(Sir Robert Filmer1588頃-1653)、フランスの聖職者ジャック=ベニーニュ・ボシュエ(1627-1704)らがいます。
【絶対王政】
絶対王政とは、君主(国王) が絶対的な権力を行使する政治形態のことです。絶対王政の同義語には、絶対主義絶対君主制 があります。
絶対王政は、主に16~18世紀のヨーロッパにおいて、 封建制国家から近代国家への過渡期に成立しました。
王権神授説を根拠として権力を強化しましたが、17~18世紀になると、市民革命が起こり、絶対王政は崩壊しました。

(2)社会契約説

(しゃかいけいやくせつ)

社会契約説

社会契約説とは、国家や社会集団は個人間の契約によって成立する、という理論のことです。
個人は自由かつ平等であり、契約は自発的であることを前提としています。
主に16~18世紀のヨーロッパで成立した王権神授説(絶対王政の根拠)に対抗して、17~18世紀のヨーロッパで発展しました。
社会契約説は、イギリスの哲学者、政治思想家トマス・ホッブズ(1588-1679)、イギリスの哲学者、政治思想家ジョン・ロック(1632-1704)、フランスの思想家・文学者ジャン=ジャック・ルソー(1712-1778)らが提唱しました。

(3)国家征服説

(こっかせいふくせつ)

国家征服説

国家征服説とは、強い種族や階級が、弱い種族や階級を征服することで国家が成立したとする説です。単に征服説ともいいます。
オーストリアの社会学者、政治学者ルドヴィク・グンプロビッチ(1838-1909)、ドイツの社会学者、経済学者フランツ・オッペンハイマー(1864-1943)、オーストリアの社会学者、政治学者、軍人グスタフ・ラッツェンホーファー(1842-1904)らが提唱しました。

(4)階級国家論

(かいきゅうこっかろん)

階級国家論

階級国家論とは、国家は支配階級が自己利益を確保・優先するために、他の階級を抑圧・支配する機関である、という考え方です。
ドイツの経済学者、哲学者、革命家カール・マルクス(1818-1883)、ドイツの経済学者、哲学者、社会主義者フリードリヒ・エンゲルス(1820-1895)が提唱しました。マルクスとエンゲルスは、マルクス主義の共同創始者です。

(5)一元的国家論

(いちげんてきこっかろん)

一元的国家論

一元的国家論とは、国家は全ての社会集団を包括する絶対的な存在である、という思想のことです。
一元的とは、「すべての事物の根源がただ一つである」という意味です。
古代ギリシアの哲学者、ソクラテスの弟子のプラトン(前427-前347)、古代ギリシアの哲学者、プラトンの弟子のアリストテレス(前384-前322)、ドイツの哲学者ゲオルク・ヴィルヘルム・フリードリヒ・ヘーゲル(1770-1831)らの国家論が有名です。

(6)多元的国家論

(たげんてきこっかろん)

多元的国家論

多元的国家論とは、国家も他の社会集団と同等の存在であり、社会集団の1つにすぎない、という思想のことです。
多元的とは、「物事を形成する根源が多くあるさま」という意味です。
イギリスの政治学者、労働党の幹部ハロルド・ジョセフ・ラスキ(1893-1950)、イギリスの政治学者アーネスト・バーカー(1874-1960)、アメリカの社会学者、政治学者ロバート・モリソン・マッキーバー(1882-1970)らが唱えました。

(7)国家有機体説

(こっかゆうきたいせつ)

国家有機体説

国家有機体説とは、国家を有機体(生物)とみなす、という思想のことです。つまり、国家は生命体、国民はその細胞にすぎない、という説です。
有機体とは、生活機能を備えた、有機物(動植物を構成している物質)からなる組織体のことで、生物のことを意味します。
ちなみに、社会を有機体(生物)とみなす、という考え方を社会有機体説といい、イギリスの哲学者・社会学者ハーバート・スペンサー(Herbert Spencer、1820-1903)が提唱したものです。

(8)確認問題

問題1
王権神授説は、(①民主政、②絶対王政)の根拠とされた思想である。

②絶対王政

問題2
社会契約説は、ホッブズ、ロック、(①ルソー、②マルクス)らが提唱した。

①ルソー

問題3
強い種族や階級が、弱い種族や階級を征服することで国家が成立したとする説を(①王権神授説、②国家征服説)という。

②国家征服説

問題4
階級国家論は、マルクス主義の共同創始者であるマルクスと(①エンゲルス、②ロック)が提唱した。

①エンゲルス

問題5
国家は全ての社会集団を包括する絶対的な存在である、という考え方を(①一元的国家論、②多元的国家論)という。

①一元的国家論

問題6
国家も他の社会集団と同等の存在であり、社会集団の1つにすぎない、という考え方を(①一元的国家論、②多元的国家論)という。

②多元的国家論

問題7
国家を有機体(生物)とみなす、という考え方を(①多元的国家論、②国家有機体説)という。

②国家有機体説

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