本質的価値(ほんしつてきかち)
intrinsic value(イントリンジック・バリュー)
本質的価値の損益状態
イン・ザ・マネー(ITM)=利益の出ている状態
アット・ザ・マネー(ATM)=損益がゼロの状態
アウト・オブ・ザ・マネー(OTM)=損失の出ている状態
本質的価値の損益の状態は、(1)イン・ザ・マネー、(2)アット・ザ・マネー、(3)アウト・オブ・ザ・マネー、の3つに区分できます。
◆イン・ザ・マネー(ITM)=利益の出ている状態
ITMは、本質的価値が発生している状態のオプションです。例えば、市場価格が110円、行使価格が100円のコールオプションであれば、本質的価値は10円(110円-100円=10円)となります。このように、利益の出ている状態のオプションを、「ITM」のオプションと呼んでいます。
◆アット・ザ・マネー(ATM)=損益がゼロの状態
ATMは、本質的価値がない状態のオプションです。例えば、市場価格が100円、行使価格が100円であれば、本質的価値は0円(100円-100円=0円)となります。このように、損益がゼロの状態のオプションを、「ATM」のオプションと呼んでいます。
◆アウト・オブ・ザ・マネー(OTM)=損失の出ている状態
OTMは、本質的価値がない状態のオプションです。例えば、市場価格が90円、行使価格が100円であれば、本質的価値は-10円(90円-100円=-10円)となります。もちろん、オプションは行使されません。このように、損失が出ている状態のオプションのことを、「OTM」のオプションと呼んでいます。
≪市場価格と行使価格の関係≫
コールオプションとプットオプションでは、市場価格と行使価格の関係は逆になります。
コールオプションの場合には、市場価格が行使価格より高い場合がITM、市場価格が行使価格と等しい場合がATM、市場価格が行使価格より低い場合がOTMとなります。
一方、プットオプションの場合には、市場価格が行使価格より高い場合がOTM、行使価格と市場価格が等しい場合がATM、市場価格が行使価格より低い場合がITMとなります。
ATM、ITM、OTMの区分は、プレミアムの価格を決定する際に重要な意味を持っています。
オプションは、通常、行使価格をATMに設定して取引しています。ATMとOTMのオプションは、本質的価値がゼロであるため、時間価値のみがプレミアム価格となります。一方、ITMのオプションは、本質的価値と時間価値の合計額がプレミアム価格となります。
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