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金融大学金融用語辞典 > ネッティング
      
     
        

                    

ネッティング

                         

債権から債務を差し引いた差額を決済すること

分類…バイラテラル・ネッティング、マルチラテラル・ネッティング

種類…ペイメント・ネッティング、オブリゲーション・ネッティング、クローズアウト・ネッティング

                   

ネッティングとは、お金の受取りと支払いを帳簿上で相殺しあうことで、実際の取引金額を小さくするものです。一定の期日に、債権から債務を差し引いた差額を決済することから、差額決済とも呼ばれています。

ネッティングには、取引に伴うリスクの低減、為替手数料や事務処理費用の削減、決済資金の削減などの効果があります。

≪ネッティングの起源≫
ネッティングの起源は、為替の仕組みにあります。為替は、銀行口座上の振替を利用して、お金の現送リスクを小さくするものです。

為替の仕組み…銀行口座の振替

現送リスクの低減

ネッティング…企業帳簿の振替(相殺)

取引リスクの低減

≪ネッティングの分類≫

ネッティングは、決済の当事者数(2者間か、3者以上か)によって、(1)バイラテラル・ネッティング、(2)マルチラテラル・ネッティングに分けられます。

ネッティング

バイラテラル・ネッティング

企業間の決済(2者間)

マルチラテラル・ネッティング

グループ企業同士の決済(3者以上)

◆バイラテラル・ネッティング

バイラテラル・ネッティングは、2者間で行われるネッティングで、企業間の決済を相殺するものです。

◆マルチラテラル・ネッティング

マルチラテラル・ネッティングは、多者間(3者以上)で行われるネッティングで、グループ企業同士や継続取引を行う企業間の決済を相殺するものです。

コンピュータ技術の進展により、ネットワークシステムの構築が容易になったことから、マルチラテラル・ネッティングの導入が可能になりました。現在、ソニー、松下電器産業、三菱電機、商船三井、東京電力といった大手企業が、マルチラテラル・ネッティングに積極的に取り組んでいます。

≪ネッティングの種類≫

ネッティングには、(1)ペイメント・ネッティング、(2)オブリゲーション・ネッティング、(3)クローズアウト・ネッティングの3種類があります。

◆ペイメント・ネッティング

ペイメント・ネッティングとは、同じ決済日の複数の取引(債権・債務)を差し引きして、その差額のみを決済するものです。もともとの債権・債務は変わらずに残り、決済金額だけが小さくなります。

オブリゲーション・ネッティング(ノベーション・ネッティング)

オブリゲーション・ネッティングとは、同じ決済日、同じ通貨の複数の取引(債権・債務)を差し引きして、新しく1つの債権・債務をつくるもので、ノベーション・ネッティングとも呼んでいます。もともとの債権・債務はなくなり、新たな1つの債権・債務にかわります。

クローズアウト・ネッティング

クローズアウト・ネッティングとは、取引の当事者が倒産するなど決済不能な状態に陥った場合に、一括清算するために行われるネッティングです。決済日や通貨の種類にかかわらず、すべての取引(債権・債務)を差し引きして、新しく1つの債権・債務をつくります。
※決済不能かどうかの判断は、事前に当事者同士が契約した判定条件により行われます。

ネッティングの種類

ネッティング前の債権・債務

ネッティング後の状態

ペイメント・ネッティング

 そのまま残る

決済金額だけが小さくなる

オブリゲーション・ネッティング

 なくなる

新たな1つの債権・債務にかわる

クローズアウト・ネッティング
   倒産時のみ

 なくなる

新たな1つの債権・債務にかわる

≪ネッティングの自由化≫

1998年4月に、外国為替及び外国貿易法(新改正外為法)が施行され、海外の子会社を含めたグループ企業同士の「ネッティング取引」 が解禁されました。ネッティング決済は、改正前は許可制で行われていましたが、改正後は自由に外貨建て取引の相殺決済を行えるようになりました。

◆改正によるメリット

ネッティングの自由化により、取引に伴う為替リスクの低減、外国為替手数料の削減、決済資金の削減などの効果が得られます。

ネッティングのメリット

外為手数料削減

為替リスク削減

決済資金の削減

従来の制度では、輸出資金と輸入資金を別々に為銀に持ち込み、グロス(総額)で決済していたため、輸出代金のドル売り手数料と、輸入代金のドル買い手数料を銀行に支払っていました。
新法では、輸出資金と輸入資金を相殺してネット(差額)で決済できるようになったため、外為手数料の削減と為替リスクの低減がはかれます。

商社や海外に子会社を持つ大手メーカーなどは、債権債務を集中させて相殺決済することで、決済資金が削減でき、経営の効率化がはかれます。 企業にインハウス・バンク(企業内銀行)の機能を持たせて、 国内外の外貨決済を一箇所に集めて管理することにより、為替リスクと為替コストを削減させようという動きが活発化しています。

≪デリバティブのネッティング≫

◆金融ビッグバンとネッティング

ネッティングは、デリバティブ(金融派生商品)にも見られます。デリバティブは、差金決済を通して将来の損益を取引する仕組みであるため、ネッティングの機能を内包しています。

ネ ッ テ ィ ン グ

外国為替

現時点の損益のネッティング

デリバティブ

将来の損益のネッティング

デリバティブは、1973年に外国為替が変動相場制に移行して以来、金利や為替のリスクが増大したのに呼応して生まれた商品です。金融ビッグバン(規制緩和)の動きは、変動相場制のもとで、やはり米国から始まったものです。ネッティングは、様々な形で金融ビッグバンの潮流に根付いているのです。 

◆クローズアウト・ネッティング

デリバティブ取引の場合、ISDAが作成したマスター・アグリーメントで契約することで、クローズアウト・ネッティング時に一括清算することができます。

マスター・アグリーメントとは、ISDA(国際スワップデリバティブ協会)が作成した基本契約書です。契約書の標準化をはかるための、デリバティブ取引の契約書の雛形といえるもので、取引開始前に交換します。その後は、取引が何度行われても、コンファメーションという確認書のみで取引が行えます。各取引ごとに契約書を交わす必要はありません。

※ISDA(国際スワップデリバティブ協会)は、International Swaps and Derivatives Associationの略です。
1984年にスワップディーラーの親睦団体(International Swap Dealers Association)として設立されましたが、デリバティブ取引が急速に発展し、市場が拡大されたことにより、1993年に名称変更されました。現在、多くの金融機関がISDAに加盟しています。

      
    
  
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