よくわかる！金融用語辞典　【転換社債（7）途中償還】

 

償還には、満期償還と途中償還があります。

 

満期償還とは、債券が満期日に償還されることです。額面金額の支払、利息の支払などが行われます。

 

途中償還とは、債券が最終償還日より前に償還されることです。途中償還されると、償還後の利息は受け取れなくなります。途中償還は、債券の発行時の条件として決められています。
途中償還には、「定時償還」と「繰り上げ償還」があります。

 

 

≪定時償還≫

 

定時償還とは、債券の発行日から一定期間を据え置いたあと、定期的に一定額を償還することをいいます。利率の高い債券は、なかなか株式に転換されません。したがって、転換社債の発行残高を減らすために、発行者が一方的に償還を行います。

 

定時償還の中で代表的なのが、「抽選償還」による方法です。抽選によって償還する債券を選び、額面１００円で償還します。当選結果は、償還日の１ヶ月前までに新聞に公表されます。当選すると、転換社債として売却できなくなります。

 

償還は、額面１００円で行われます。投資家は、転換社債を１００円以下で購入している場合には、償還すれば償還益が得られます。しかし、１００円以上で購入している場合には損をしてしまうため、株式に転換して、株式の値上がりを待つことになります。

 

≪繰り上げ償還≫

 

繰り上げ償還とは、債券の発行日から一定期間を据え置いたあと、発行額の全部または一部の償還を、発行者の任意で行うことをいいます。「任意償還」、「随時償還」とも呼ばれています。

 

資金繰りや金利情勢といった事情で、債券の利子負担を減らしたいときに、発行者の都合によって償還を行います。

 

発行者が、市場で転換社債を買い入れて償還する方法と、投資家から直接、プレミアムをつけて額面より少し高く買い入れる方法があります。これを「買入消却」といいます。この場合、投資家が買い取りに応じるかどうかは、自由に決められます。

 

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