経済(けいざい)
economy(エコノミー)
経済とは何か
経済とは、社会生活を営むための財やサービスを交換するしくみのことです。
わたしたちの暮らしには、モノ(財)やサービスが必要です。モノやサービスを消費するためには、モノやサービスを生産する必要があります。しかし、生活に必要なものをすべて自分で生産するのは大変です。それぞれが生産したモノやサービスを交換し合えば、お互いに満足できる消費が可能になります。
わたしたちの暮らしは「生産」と「消費」の繰り返しですが、生産されたモノやサービスを交換することで、生産と消費の循環は、自給自足の生活に比べてずっと豊かなものになります。
経済=財・サービスを交換する仕組み
生産と消費
≪経済とお金≫
わたしたちの暮らしは、企業がモノやサービスを生産し、家計(家庭)がそれらを消費するといった、生産と消費の循環活動で成り立っています。
生産と消費の循環活動は、人々が暮らしに必要なモノやサービスを交換することによって成り立っています。この交換を円滑にしているのが、お金です。
経済活動=生産と消費の循環活動
交換取引「お金」
◆市場=交換の場
経済は、(1)モノやサービスを生産する企業、(2)モノやサービスを消費する家計、(3)公共サービスを提供する政府、の3部門にわけることができます。
家計と企業の間には、市場(しじょう)があります。市場とは、モノやサービスを交換する場のことです。買い手(需要)と売り手(供給)が出会う場所です。
企業が生産したモノやサービスは、交換取引を通して循環し、家計へ流れていきます。この交換取引を円滑に行わせる場が市場です。市場では、価格メカニズムを通じて、交換される数量がコントロールされていきます。
◆お金の流れ
家計(家庭)は、企業からモノやサービスを購入します。そのかわりに企業にお金を支払います。企業は、そのお金で工場を建てたり、原材料を購入したり、従業員に給料を支払います。また、国や地方公共団体に税金を支払います。企業から給料をもらった家計では、モノやサービスを購入し、税金を払い、残りを貯蓄にまわします。ふたたび、モノやサービスを購入した家計から企業にお金が流れます。
一方、国や地方公共団体は、企業や家計から支払われた税金を、教育や福祉といった公共サービスにあてたり、道路や橋の建設等の公共投資に使います。
このように、経済活動は、お金を媒介してモノやサービスが交換されていく活動です。経済活動は、お金の流れに投影されます。したがって、お金の流れを見ると、経済の活動状態を掴むことができます。
経済社会の中で交換が活発に行われると、お金の流れも活発になります。これを好景気といいます。逆に、交換が不活発になると、お金の流れも不活発になります。これを不景気といいます。
不景気になると、世の中の金回りが悪くなり、モノが売れなくなります。つまり、需要が足りない状態です。したがって、不景気の時には、政府が公共投資を増やしたり減税をしたりして、需要を補うのが景気回復の早道と考えられています。
≪経済の課題≫
わたしたちが欲する生産のもととなる資源には、限りがあります。モノの中には、空気のように無限と思えるほど豊富に存在するモノもありますが、生活に必要な大半のモノは、ダイヤモンドや貴金属のように稀(まれ)にしか見つかりません。モノの量が欲望に対して足りないことを稀少性(きしょうせい)といいます。
経済の課題は、稀少なモノをどれだけ生産するのか、どのように生産するのか、生産物をどのように分配するのか、というところにあります。わたしたちは、より暮らしやすい経済社会の実現を目指して、これらの課題に取り組んでいます。
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