よくわかる!金融用語辞典 【金利裁定取引(2)円転】

金利裁定取引(2)円転

金利裁定取引(きんりさいていとりひき)
interest rate arbitrage transaction(インタレスト・レート・アービトラージ・トランズアクション)

金利裁定取引(2)円転

円転…外貨資金を円に転換して、円貨で運用する操作
円転の地合い…円転をして裁定機会が捉えられる市況

 

外貨資金を円に転換して、円貨で運用する操作を円転(えんてん)といいます。逆に、円資金を外貨に投入して、外貨で運用する操作を円投(えんとう)といいます。

 

円転をして裁定機会が捉えられる市況を、円転の地合いといいます。円転の地合いは、スワップ為替予約のついたインパクトローン(外貨貸付)が有利な市況であることを示しています。

 

直先スプレッドが金利差より拡大しているときには、円転して裁定機会を捉えます。

 

例えば、直先スプレッドが年率2.5%、金利差2%(米ドル金利5%、円金利3%)の場合、米ドルで外貨借入れをして、円に転換して運用します。為替予約をつけると、円貨での資金コストは2.5%(米ドル金利5%-直先スプレッド2.5%=2.5%)となります。円での運用益が3%なので、0.5%の利益があがります。

 

こうした裁定機会があると、円転用の為替スワップ(ドルの直売り/先買いのスワップ)への需要が増えていきます。

 

直物市場では、ドルの直売りの圧力が加わり、ドル下落(円高)へ向かいます。先物市場では、ドル先買いの圧力が加わり、ドル上昇(円安)へ向かいます。その結果、直先スプレッドは、縮小してパリティ状態へ向かいます。パリティとは、直先スプレッドが金利差と一致している均衡状態のことです。

 

直先スプレッド>金利差 … 円転(インパクトローン)に裁定機会

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