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IS曲線 (あいえすきょくせん)

英語 : IS curve (アイエス・カーブ)

 IS曲線は、財市場均衡を示す利子率国民所得の組み合わせを表す右下がりの曲線で、「利子率が上がると国民所得が減少し、利子率が下がると国民所得が増加する」という関係を表します。

 IS曲線のIは投資、Sは貯蓄を示し、IS曲線は財市場の均衡(投資I=貯蓄S)を意味します。

      

       

 (注)説明をやさしくするために、図には直線を表示しています。なお、直線は、曲線の一種です。

≪財市場の超過供給と超過需要≫

 IS曲線は、財市場の貯蓄(供給の基本要因)と投資(需要の基本要因)の均衡を示す利子率と国民所得の組み合わせの線分です。IS曲線上以外の領域では、財市場は均衡していません。

 IS曲線より上方では、財市場は超過供給の状態にあります。一方、IS曲線より下方では、財市場は超過需要の状態にあります。

      

       

≪IS曲線の形状≫

 IS曲線は、簡単に直線で表示(直線近似という)することができます。IS曲線の傾きは、投資の利子弾力性によって、水平(0度)から垂直(90度)まで変化します。

 投資の利子弾力性が大きいと、小さな利子率の変化に投資が大きく反応して、国民所得が大きく変化します。投資の利子弾力性が無限大(∞)に大きい場合には、IS曲線はほぼ水平になります。

 逆に、投資の利子弾力性が小さいと、大きな利子率の変化にも投資が反応しなくなり、国民所得も影響を受けなくなります。投資の利子弾力性が限りなくゼロに近い場合には、IS曲線はほぼ垂直(急勾配)になります。

      

       

≪IS曲線式≫

 IS曲線を表す数式のことを「IS曲線式」と呼ぶことにします。IS曲線式は、財市場の均衡(総供給総需要)を表す「国民所得Y=消費C+投資I+政府支出G」という関係式を「利子率i」について解いた(計算式を「i=〜」の形にする)ものです。

◆租税を考慮しない場合

 所得均衡式「Y=C+I+G」に、消費関数として「C=α+βY」を、投資関数として「I=I0−bi」を代入し、利子率iについて解くと、次のようになります。

      

       

α:基礎消費、β:限界消費性向、I0独立投資、b:投資の利子弾力性、i:利子率、Y:国民所得、G:政府支出

◆租税を考慮する場合

 所得均衡式「Y=C+I+G」に、消費関数として「C=α+βY」を、投資関数として「I=I0−bi」を、租税関数として「T=T0+tY」を代入し、利子率iについて解くと、次のようになります。

      

       

0:最低課税額(独立租税)、t:限界租税性向

 上記の式の−(1−β+βt)/bは、勾配(こうばい:傾斜のこと)を表します。この勾配のマイナス符号は、IS曲線が右下がりの曲線であることを表しています。一方、(α+I0+G−β0)/b は、縦軸の切片(せっぺん)を表します。

 財政政策で政府支出(G)を増やすと、切片の数字が大きくなり、IS曲線は上方に平行移動します。

 ※ここでは、投資関数を簡単な一次式で表しています。

 参考 : IS−LM分析

(2006年1月更新)

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