よくわかる!金融用語辞典 【資本主義市場経済体制】

資本主義市場経済体制

資本主義市場経済体制(しほんしゅぎしじょうけいざいたいせい)
capitalist market economy system(キャピタリスト・マーケット・エコノミー・システム)

資本主義市場経済体制

資本主義市場経済体制とは、資本主義における市場経済の体制のことです。

 

資本主義とは?

 

資本主義とは、資本家が商売を目的にモノ(財・サービス)を社会に供給する経済体制(生産と分配のしくみ)のことです。

 

資本家とは、生産手段(土地や資本)を私有する資産家のことです。商売とは、利潤を追求する活動のことです。

 

資本家は、商売に必要なモノを作るために労働者を雇います。一方、労働者は、労働の対価として受け取った賃金で、生活に必要なモノを購入します。

 

資本主義の起源は、16世紀のイギリスのエンクロージャー(囲い込み)運動が発端です。職を失った農民が都市部に集まり賃金労働者となりました。そこから、資本家と労働者による生産と分配のしくみが生まれました。その後、産業革命によってこの経済体制は発展していきました。

 

市場経済とは?

 

市場経済とは、取引を通じて社会にモノを分配する経済体制のことです。

 

取引とは、モノとお金を交換(企業は家計にモノを売り、家計は企業からモノを買う)することです。このモノを売買する市場を財市場といいます。

 

一方、労働者のもつ労働力を商品として売買する市場のことを労働市場といいます。

 

市場経済は、貨幣経済(商品の交換を貨幣が仲立ちする経済)に、労働力を商品として売買するしくみを取り入れたものです。

 

資源配分の調整は民間主導!

 

資本主義市場経済体制は、資源配分の調整を民間主導で行う体制です。
「民間による自由な活動が経済に活力を与える」というメリットがある一方、「平等面がおろそかになる」というデメリットがあります。

 

市場の失敗

 

資本主義は、価格調整メカニズムがうまく働かない場合、最適な資源配分に失敗します。これを「市場の失敗」といいます。

 

資本主義の問題は、資本家が自己の利益を追求しようと行動することにあります。

 

1つは、資本家が、財市場を独占的に支配しようとすることです。財市場がある企業に独占されると、自由競争がもたらす価格調整メカニズムが働かなくなるため、最適な資源配分はなされなくなります。

 

もう1つは、労働者の賃金を低めにしようとすることです。労働市場において、最適な分配がなされなくなります。公平な資源配分がなされずに、貧富の差が生まれます。

 

すると、資本家は私有財産を投資するだけで贅沢な生活を送れますが、労働者は自らの労働力を売ることでしか生活できません。

 

資本家と労働者間の収入格差は、社会に不平等感を抱かせます。これが社会体制に対する不満となり、拡大していくことが大きな問題です。

 

資本主義市場経済体制

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参考ファイル

 

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