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金融大学金融用語辞典 > 経済学ってなあに?
    
   
経済学 【 けいざいがく 】
economics 【 イコノミックス 】
            
  
      
経済学ってなあに?
     
経済学って、どんな研究なのでしょうか?まずは、やさしく考えてみましょう。
     
経済学とは、「人々がより良い生活を送るには、どうしたらよいのか?」を考える学問です。より良い生活(生活向上)とは、みんなの物欲をより満足させることです。
       
より多くのモノを、人々にまんべんなく届けるには、どうしたらいいのでしょうか?
       
経済学では、次のようなことを考えます。
     
  ・機械を使って、生産効率を上げる(生産量を増やす)
  ・作業を分担して、生産効率を上げる(生産量を増やす)
  ・市場のルールを整える(生産物の交換を促進する)
     
つまり、経済学とは、「人々の生活向上の知恵の研究」と捉えられます。
      
経済学定義
     
ではここから、「生活」の意味を掘り下げることで、経済学の定義を導いていきましょう。
       
①生活の意味を「ヒトの活動」という視点で考察すると…
     
現代人の生活は、仕事(ビジネス:business)をしておカネを稼ぎ、モノを購入するという活動です。すなわち、経済は、「物欲を満たすために、ヒトモノをおカネで手に入れる活動」であると捉えられます。
     
もう少し掘り下げてみましょう。
ヒト(人々)、モノ(生産物)、カネ(取引)を「生活の3要素」といいます。
       
「ヒト」の視点から生活向上を考えると、経済学とは「最適化行動」の研究と言えます。
最適化行動は、ミクロ経済学のテーマです。
            最適化行動とは、市場で、家計はできるだけ安く買おうと行動し、企業はできるだけ高く売ろうと行動することです。最適化行動によって、市場メカニズム(価格が変わることで、需要と供給が調整されるしくみ)は、うまく働きます。
       
「モノ」の視点から生活向上を考えると、経済学とは「経済成長」の研究と言えます。
経済成長は、マクロ経済学のテーマです。
            経済成長とは、経済全体の規模が長期的に拡大することです。人々の生活が活発になると、一国全体におけるモノの生産量が増えていき、経済全体の規模が長期的に拡大していきます。
       
「カネ」の視点から生活向上を考えると、経済学とは、「経済体制」の研究と言えます。
経済体制は、経済学史のテーマです。
            次の②でも述べますが、経済体制とは、一国全体における生産と分配のしくみのことです。この社会のしくみは、資本主義と社会主義の2つにわけられます。経済学では、資本主義における経済体制を研究します。
      
②生活の意味を「社会のしくみ」という視点で考察すると…
     
現代人の生活は、「社会のしくみ」によって支えられています。
社会には、モノをつくり(生産)、人々(社会の成員)に届ける(分配)するというしくみがあります。この生産と分配のしくみのことを経済体制といいます。
     
もう少し掘り下げてみましょう。
「モノを生産し分配する、という社会のしくみ」の中には、「モノを消費するヒトの行動」が含まれています。地球上の資源には限りがあります。この大切な資源から、「どのようなモノをどれだけ生産し、それを必要とする人々にどうやって届けるのか」を考える必要があります。これが、「経済体制」の研究です。
すると、「経済学とは、社会のしくみ(稀少な資源からモノを生産し、生活者に分配する)と最適化行動との相互関係の研究である。」と定義できます。
       
        
著名な経済学者の経済学定義を3例、ご紹介します。      
①マーシャルの物質主義的定義
     
アルフレッド・マーシャル(1842-1924)は、財(生産物)の価値の観点から、経済学は生産効率(経済成長)の研究である、と定義しています。
下記の定義は、著者『経済学原理』1890 の冒頭からの引用です。
     
経済学は,日常(取引)生活を営んでいる人間に関する研究である。
それは個人的ならびに社会的な行為のうち,福祉の物質的要件の獲得とその使用にきわめて密接に関連している部分を取り扱うものである。
原文(materialist definition)
「Political Economy or Economics is a study of mankind in the ordinary business of life; it examines that part of individual and social action which is most closely connected with the attainment and with the use of the material requisites of wellbeing.」
Principles of Economics,1890,(1920 8th edition),BOOK I, CHAPTER I INTRODUCTION. I.I.1
London: Macmillan and Co., Ltd.
Alfred Marshall,
http://www.econlib.org/library/Marshall/marP1.html#Bk.I,Ch.I
      
②ロビンズの希少性定義
     
ライオネル・チャールズ・ロビンズ(1898-1984)は、財の希少性の観点から、経済学はヒトの行動の研究である、と定義しています。これを希少性定義と呼んでいます。
下記の定義は、1932年の論考『経済学の本質と意義』 P15 からの引用です。
     
経済学は,様々な用途に使える希少性のある資源と目的との間の関係としての人間行動を研究する科学である。
原文(scarcity definition)
「Economics is the science which studies human behaviour as a relationship between ends and scarce means which have alternative uses.」
Lionel Charles Robbins,
An Essay on the Nature and Significance of Economic Science, (1932)
CHAPTEK I THE SUBJECT-MATTER OF ECONOMICS P15
https://mises.org/library/essay-nature-and-significance-economic-science
     
③サミュエルソンの定義
     
ポール・アンソニー・サミュエルソン(1915-2009)は、社会のしくみの観点から、経済学は経済体制(資本主義)の研究である、と定義しています。
下記の定義は、著書『経済学』1992年版からの引用です。
     
経済学とは、社会が稀少な資源から価値ある商品をどのように生産してさまざまな人々(生活者)へ分配する方法の研究である。
経済学とは、貨幣、金融、資本、および富の研究である。
原文 Definitions of Economics
Economics is the "study of how societies use scarce resources to produce valuable commodities and distribute them among different people."
Economics is the study of money, banking, capital, and wealth.
Economics 14th Edition International Editions 1992
Chapter 1 Introduction P3 Definitions of Economics
Paul Anthony Samuelson (Author) (著), William D. Nordhaus (Author) (著)
出版社: McGraw-Hill Inc.,US; 14th版 (1992/3/1)
ISBN 0-07-112811-5
       
        
参考までに、一般の辞書による「経済学」の説明を載せておきます。
◆ Goo辞書『デジタル大辞泉』小学館
     (http://dictionary.goo.ne.jp/leaf/jn2/66327/m0u/経済/)
       
【 経済学 】
社会科学の一分野で、経済現象を研究する学問。理論経済学・経済史学・経済政策などの部門がある。
       
   
【 参考ファイル 】   2つの経済学
      
    
  
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