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キャッシュフロー計算書(5)キャッシュフロー経営

                         

キャッシュフローに着目して、経営の健全度を高めていく経営手法

                

会社経営の目的は、より大きな利益を生み出すことにあります。これまで、多くの会社経営者の主眼は利益を大きくすることにおかれ、経営の健全度を測定するといった観点に欠けていました。そこで、キャッシュフロー経営が注目されるようになりました。

キャッシュフロー経営とは、キャッシュフローに着目して、経営の健全度を高めていく経営手法です。フリーキャッシュフローを最大化することで、企業価値を高めていきます。

キャッシュフロー経営では、会社の経営活動の着眼点を「損益」から「キャッシュフロー」に変えていきます。キャッシュフロー経営で扱う「お金」は将来のデータを示し、キャッシュフロー計算書で扱った「お金」は過去のデータを示しています。

キュッシュフロー計算書

過去のデータ

キャッシュフロー経営
 
利益の最大化経営の質 

将来のデータ

キャッシュフロー経営では、営業活動キャッシュフロー、投資活動キャッシュフロー、財務活動キャッシュフローを改善させるために、さまざまな方向から経営を見直していきます。

≪営業活動キャッシュフローの改善≫

将来のキャッシュフローをよくするには、営業活動キャッシュフローを向上させます。営業活動キャッシュフローを向上させるには、仕入れ、在庫、売上の営業循環におけるお金の流れを向上させます。

仕入れは、現金で支払わず、買掛金や支払手形の信用期間を長くすることで、支払いを先延ばしにします。

在庫(棚卸資産)は、商品ごとの売れ行きの管理や注文を受けてから生産するといった販売システムを改善することで、少なくします。在庫が多いということは、無駄にお金を寝かせていることになるからです。

売上債権は、売掛金や受取手形の信用期間を短くします。現金売上がいちばんの改善方法です。

営業活動キャッシュフローの改善法

仕入れ

債務の信用期間を長くする

手形期間を長くする

在 庫

在庫を減らす

販売、生産システムの改善

売 上

債権の信用期間を短くする

手形期間を短くする
現金売りがよい

≪投資活動キャッシュフローの改善≫

投資活動キャッシュフローを改善するには、無駄な固定資産を減らす、有価証券を売却する、新規の投資を行わない、などの方策をとります。
設備投資は、将来のキャッシュフローを作り出す源泉となるため、闇雲に固定資産を減らすというわけにはいきません。無駄に使われている設備投資がないかを検討します。例えば、遊休土地、含み益の出ている有価証券を売却して現金化するなどです。

新規投資をするときには、将来にどれくらいのお金が戻ってくると予想されるのかを、よく調べることが必要になります。この投資判断を行う場合に、将来のキャッシュフローと現在のキャッシュフローを比較することが必要です。一般に使われてきる方法にDCF法があります。

◆DCF法(Discounted Cash Flow)

ディスカウント・キャッシュ・フロー(割引現在価値:DCF)とは、将来のキャッシュフロー(予測)から現在価値を算出する方法です。期間や金額の異なる将来のキャッシュフロー(予測)が、現在価値に置き換わることで比較可能となるため、投資判断に役立ちます。

現在価値は、将来のキャッシュフロー(予測)を資本コストで割って算出します。

現在価値 = 〔将来のキャッシュフロー ÷ (1+資本コスト) 年数〕

 ^ は、べき乗の記号で、左の文字や数字を掛け合わせることを意味します。
2年後であれば(1+0.1)を2回掛けるという意味で(1+01)^
2と書きます。

例えば、同じ100万円でも、現在の100万円と、1年後、2年後、3年後…の100万円では、価値が違います。

      

将来のキャッシュフロー

  

 現在価値 (資本コスト10%の場合)

現在

 100万円

  100万円

1年後

 100万円

 約91万円 (100万円÷1.1)

2年後

 100万円

 約83万円 ( 91万円÷1.1)

3年後

 100万円

 約75万円 ( 83万円÷1.1)

同じ金額でも、資金を回収できる時期によって、現在価値は大きく変わります。
フリーキャッシュフローをどう使うか、という投資判断にDCF法を利用しています。

≪財務活動キャッシュフローの改善≫

財務活動キャッシュフローを改善するには、資金調達コストを下げることと、資金調達を安定化させることが課題です。

高金利の借入金を返済して、社債や株式での調達を増やすようにします。間接金融から直接金融に移行することで、長期資金を安定的に調達する財務構造への改善を図ります。

参考 : キャッシュフロー計算書(1)キャッシュフロー計算書とは何か   (2)キャッシュフロー計算書の3つの区分
         
(3)キャッシュフロー計算書の作り方   (4)フリーキャッシュフロー

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