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資産担保証券(1)ABSとは何か

                         

企業から分離した資産を裏付けに発行される証券

                

資産担保証券のことを、アセットバックトセキュリティ(Asset Backed Security)、略してABSと呼んでいます。ABSは、企業が保有する資産を裏付けにして発行されます。企業が保有する債権や不動産などの資産を企業から分離し、その資産から生じるキャッシュフローを原資として発行される証券です。

資産担保証券を発行するには、複雑な手続きが必要です。まず、資産を企業から分離するために、特別目的会社(SPC)を設立します。企業は、資産をそのSPCに譲渡します。

特別目的会社(SPC)は、譲渡された資産を裏付けにして証券を発行し、投資家に販売します。資産が企業から切り離されているため、元の企業が倒産などの事態に陥っても、SPCが保有する資産が健全であれば、投資家は安心して証券の支払いを受けることができます。つまり、元の企業の信用力ではなく、対象資産の信用力に対して投資される証券です。

資産担保証券(ABS)の発行
対象資産に対する信用力)

SPC(特別目的会社)を設立

  

企業が資産をSPCに譲渡

 

 

SPCが証券を発行、投資家に販売

例えば、貸付債権を裏付けに発行された資産担保証券の場合、債権を保有していた企業が倒産しても、貸付債権自体が優良な債権であれば、投資家はSPCを通じて証券の支払いを受けることができます。

資産担保証券のはじまりは、1970年代に米国で開発されたモーゲージ担保証券(MBS)にあります。MBSは、住宅ローン債権を集めて、これを裏付けに証券を発行して投資家に売却したものです。

企業から分離される資産(Asset)には、売掛金、受取手形、債券(社債)、貸付金(住宅ローン、自動車ローン、クレジットカードローン)、リース債権、コマーシャルペーパー(CP)などがあり、幅広い資産を対象に証券化が行われています。

現在、銀行の不良債権処理に資産担保証券を利用して流動化をはかるという案に期待が寄せられています。

◆補足

資産担保証券(ABS)の2001年度の発行額は3兆5500億円となり、前年に比べて25%増加しました(日本経済新聞社の集計より)。

参考 : 資産担保証券(2)多数債権プール型資産担保証券  クレジットデリバティブ(5)クレジットリンク債
     抵当証券  セキュリタイゼーション

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