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金融大学金融大学講座 > 特別講座 『超時短 一人で学べる・ミクロ経済学』
       
  
特別講座
講師:有馬秀次
  
       
  
「ミクロ経済学」とは
     
ミクロ経済学とは、経済主体(個人、企業)の行動(選択)から、モノの価格がどのように決定されるのかを分析する学問で、微視的経済学と訳されます。
     
微視的とは、「私たちの暮らし」を個人の生活に着目するように、物事を細かく捉えるという意味です。
          
       
研究テーマは「価格」
     
ミクロ経済学の研究テーマは「価格」です。価格の決まり方を分析することから、市場経済のしくみを研究します。これを価格分析といいます。
ミクロ経済学は、「市場経済」と「市場の失敗」について考える学問です。市場の動きは、個人の生活のようす(働いて得た所得をどのように支出するのか)を「取引」の視点から見ることで捉えます。
   
取引=経済主体の選択
     
経済学では、ヒトを「企業(生産者)」や「家計(消費者)」の枠組みに当てはめて分析します。
     
「企業」や「家計」のことを経済主体といいます。経済主体の行動とは、取引に関する選択(意思決定)のことを指します。
         
市場経済とは
     
市場経済とは、企業と家計の自由な取引に「資源配分のしくみ」を任せる経済体制のことです。
   
市場では、個人の自由意思に基づく需要(購入欲求)と、企業の自由意思に基づく供給(販売欲求)の力関係によって、取引価格が決まり、商品(財、労働力)が売買されます。これを市場取引といいます。
         
取引はどう決まる?
     
取引は、買い手と売り手の合意によって成立します。
     
     
売り手(企業:生産者)はできるだけ高い価格で売ろうと行動し、買い手(家計:消費者)はできるだけ安い価格で買おうと行動します。すると、需要(買い手)と供給(売り手)が同意する価格で取引が成り立ちます。
     
このように、市場取引が行われる場では、価格によって取引が生まれるかどうかが決まります。価格の合意がなければ、取引は生まれません。
     
         
市場経済の研究とは
     
市場経済の研究とは、家計と企業の行動から、市場機構によって市場均衡(最適な資源配分)がなされるしくみを解明することです。
     
市場均衡とは、市場機構によって、均衡価格で市場取引が成立することです。均衡価格は、市場機構が働くことから導かれます。
アダム・スミスは、国富論(1776)で市場機構(価格の自動調節機能)のことを、「見えざる手」の導きと呼びました。
     
市場均衡は、品余り(売れ残り)も品不足もなく、商品が完売している状態です。市場経済において、最適な資源配分が行われていることを表します。
         
市場均衡=合理的行動
     
市場では、家計が効用(満足度)の最大化を、企業が利潤の最大化を図ろうとして、意思決定(取引の選択)をします。これを合理的行動といいます。
     
家計の効用の最大化
   
家計は、与えられた購入価格(市場価格)に対して、効用の最大化を図ります。それは、予算内でもっとも望ましい商品(消費財)の組合せを選択(購入)することです。これを消費者均衡といいます。
     
財の消費量を1単位追加したときに増える効用(満足感)の大きさのことを限界効用といいます。
複数の財を消費するとき、それぞれの限界効用が等しくなるように消費量を決めるとき、効用が最大化されます。これを限界効用均等の法則といいます。
       
消費者が、1円あたりの限界効用の高い商品の購入比率を上げていくと、効用水準は向上します。しかし、その商品の限界効用は逓減していきます。これを限界効用逓減の法則といいます。
やがて、各商品の1円あたりの限界効用は等しくなります。すると、それ以上、効用を高める選択肢がなくなります。
     
たとえば、A財の1円あたりの限界効用の方が、B財のそれよりも大きかった場合、B財の消費1円分をA財の消費1円分に当てれば、効用水準は上昇します。しかし、A財の限界効用は逓減します。一方、B財の限界効用は逓増します。やがて、A財とB財の限界効用は一致します。その後は、A財とB財の購入組合せを変えても、効用は増やせません。
つまり、A財とB財の1円あたりの限界効用が一致するとき、効用の最大化が達成されます。
     
企業の利潤の最大化
   
企業は、与えられた販売価格(市場価格)に対して、費用の最小化を図ります。それは、市場価格に対して、もっとも望ましい生産要素財(原材料)の組合せを選択(購入)することです。これを生産者均衡といいます。
     
生産要素の投入量を1単位追加したときに増える生産量の大きさのことを限界生産力といいます。
複数の生産要素財を投入するとき、それぞれの限界生産力が等しくなるように投入量を決めるとき、利潤が最大化されます。これを限界生産力均等の法則といいます。
       
生産者が、1円あたりの限界生産力の高い生産要素財の購入比率を上げていくと、利潤は向上します。しかし、その生産要素財の限界生産力は逓減していきます。これを限界生産力逓減の法則といいます。
やがて、各生産要素財の1円あたりの限界生産力は等しくなります。すると、それ以上、限界生産力を高める選択肢がなくなります。
     
たとえば、A生産要素財の1円あたりの限界生産力の方が、B財のそれよりも大きかった場合、B生産要素財の投入1円分をA生産要素財の投入1円分に当てれば、利潤水準は上昇します。しかし、A生産要素財の限界生産力は逓減します。一方、B生産要素財の限界生産力は逓増します。やがて、A生産要素財とB生産要素財の限界生産力は一致します。その後は、A生産要素財とB生産要素財の購入組合せを変えても、利潤は増やせません。
つまり、A生産要素財とB生産要素の1円あたりの限界生産力が一致するとき、利潤の最大化が達成されます。
       
消費者均衡は、ある価格水準での需要を表します。一方、生産者均衡は、ある価格水準での供給を表します。市場均衡とは、需要と供給が均衡価格で一致する市場取引のことです。
     
一国の市場取引は、総需要と総供給が一致するときに成立します。このときの均衡取引量実質GDPとして捉えるのが、マクロ経済学です。
       
         
市場の失敗
     
市場機構(価格調整)が機能しても、最適な資源配分が得られない場合があります。これを市場の失敗といいます。
     
具体的には、①独占、寡占 ②公共財・公共サービス ③外部不経済・外部経済 等です。
     
①独占・寡占、カルテル
   
独占・寡占とは、1つあるいは少数の企業が市場を支配している状態をいいます。売り手(生産者)が少数のため、生産者が一方的に生産物の価格を決めてしまいます。このような独占・寡占市場は、完全競争市場ではありません。
カルテルとは、市場の独占を目的とする複数の企業が、協定や契約によって共謀することをいいます。
     
対策は?
独占には、独占禁止法の制定により、独占企業を排除します。一方、カルテル(共謀)による違反事業者には、課徴金を課す等の罰則を設けています。
     
②公共財・公共サービス
   
公共財とは、道路、公園、港湾、空港などの社会資本のことです。
公共サービスとは、警察、消防サービスなどのことです。
これらの財・サービスは、民間企業が商売とすることが成り立たない分野です。民間企業では提供できないため、市場機構は働きません。
     
対策は?
公共財・公共サービスは、企業に代わって、政府が提供します。そのために必要な費用は、税金で賄います。
     
③外部不経済・外部経済 等
   
外部不経済・外部経済とは、市場取引が市場外の第3者に何らかの経済的影響を及ぼすことをいいます。
第3者に不利益を与えてしまう場合を、外部不経済といいます。公害が代表例です。
逆に、第3者に利益を与えてしまう場合を、外部経済といいます。たとえば、遊園地が出来た結果、周辺の商店の売れ行きが伸びるといった場合です。
     
対策は?
公害対策としては、各種の規制を行うほか、公害防除費用や損害賠償費用を企業に負担させます。これを外部不経済の内部化といいます。
     
このように、市場の失敗の研究では、失敗の原因がどこにあるのかを解明して、市場機構(価格調整)の弱点を補正します。
     
       
  参考文献
      
    
  
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