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金融大学  オプション取引入門講座

講師 :有馬秀次

第3回 プレミアム

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1.プレミアムの意味

プレミアムとは、オプションの価格のことです。オプション価格は、そのオプションがどれくらいの価値を持っているかを表わします。

≪本質的価値と時間価値≫

オプション価格は、(1)現時点でどれくらいの利益が発生しているか、(2)今後、どれくらいの利益が得られる可能性があるか、の2点で決まります。前者を本質的価値、後者を時間価値と呼んでいます。

プレミアム価格は、本質的価値と時間価値の合計額として計算されます。

(1)本質的価値

本質的価値とは、現時点でオプションを行使した場合の価値のことです。この現時点でのオプションの価値は、行使価格と市場価格の差額を指すもので、行使価格が市場価格に比べてどれだけ有利になっているのかを示しています。

例えば、商品の市場価格が110円のとき、行使価格100円のコールオプションを購入して、すぐにオプションを行使すると、10円(110円−100円=10円)の利益が得られます。つまり、このオプションには、現時点で10円の価値があります。これが本質的価値です。
したがって、オプションの売り手は10円以下のプレミアムでは、このオプションを売りません。

(2)時間価値

時間価値とは、将来に値上がりするかもしれないという期待に対する価値です。オプションには有効期間があり、満期日までの間に市場価格がさらに有利に動く可能性があります。

例えば、商品の市場価格が110円のとき、行使価格100円のコールオプションを購入して、満期日までの間に商品の市場価格が130円に値上がりすると、30円(130円−100円=30円)の利益が得られます。満期日までの間に、利益が20円分(130円−110円=20円)増えたのです。つまり、このオプションは、将来的な価値として20円の価値を持っていたことになります。

しかし、現時点では、その商品が将来いくらに値上がりするかはわかりません。そこで、将来、値上がりするかもしれないという期待に対して、プレミアムを支払うことになります。

       

プレミアム価格

本質的価値

時間価値

(上記例の場合)
30円



10円



20円

        

2.本質的価値

本質的価値(Intrinsic Value)は、オプションの現時点での価値です。本源的価値、内在的価値、真正価値とも呼ばれています。本質的価値は、市場価格と行使価格の差額で、そのオプションがどれだけ有利な状態にあるかを示しています。

コールオプション(買う権利)の場合には、市場価格が行使価格より高い場合に発生します。市場価格が100円、行使価格が90円であれば、本質的価値は10円(100円−90円=10円)と計算されます。
一方、プットオプション(売る権利)の場合には、市場価格が行使価格より安い場合に発生します。行使価格が100円、市場価格が70円であれば、本質的価値は30円(100円−70円=30円)と計算されます。

行使価格が市場価格より不利な場合には、オプションは行使されないため、本質的価値はゼロ未満にはなりません。

≪損益状態の区分≫

本質的価値の損益の状態は、(1)イン・ザ・マネー、(2)アト・ザ・マネー、(3)アウト・オブ・ザ・マネー、の3つに区分できます。

イン・ザ・マネー(ITM)

利益の出ている状態

アト・ザ・マネー(ATM)

損益がゼロの状態

アウト・オブ・ザ・マネー(OTM)

損失の出ている状態

(1)イン・ザ・マネー(ITM:In the money)=利益の出ている状態

ITMは、本質的価値が発生している状態のオプションです。例えば、市場価格が110円、行使価格が100円のコールオプションであれば、本質的価値は10円(110円−100円=10円)となります。このように、利益の出ている状態のオプションを、「ITM」のオプションと呼んでいます。

(2)アト・ザ・マネー(ATM:At the money)=損益がゼロの状態

ATMは、本質的価値がない状態のオプションです。例えば、市場価格が100円、行使価格が100円であれば、本質的価値は0円(100円−100円=0円)となります。このように、損益がゼロの状態のオプションを、「ATM」のオプションと呼んでいます。

(3)アウト・オブ・ザ・マネー(OTM:Out of the money)=損失の出ている状態

OTMは、本質的価値がない状態のオプションです。例えば、市場価格が90円、行使価格が100円であれば、本質的価値は−10円(90円−100円=−10円)となります。もちろん、オプションは行使されません。このように、損失が出ている状態のオプションのことを、「OTM」のオプションと呼んでいます。

     

コールオプション

プットオプション

市場価格行使価格

ITM

OTM

市場価格行使価格

ATM

ATM

市場価格行使価格

OTM

ITM

オプションは、通常、行使価格をATMに設定して取引しています。ATM、OTMのオプションは本質的価値はゼロであるため、時間価値のみがプレミアムの価格となります。

参考 : オプション価値の状態

3.時間価値

時間価値(Time Value)とは、将来に値上がりするかもしれないという期待に対する価値です。
現時点のオプションの市場価格が、さらに有利に動くことを期待しての価値です。

時間価値は、(1)将来の商品価格の変動に対する「予想期待度」、(2)オプションの有効期間の「長さ」、(3)金利、の3つを尺度として計算されます。

(1)予想期待度

予想期待度を測る尺度には、ボラティリティ(予想変動率)が利用されます。予想変動率が大きくなればなるほど相場変動の期待度も大きくなり、プレミアム価格も高くなります。

(2)有効期間の長さ

期間が長くなればなるほど、相場が変動する確率も大きくなり、プレミアム価格も高くなります。
逆に、期間が短くなれば、価格変動の可能性も小さくなり、プレミアム価格も安くなっていきます。時間価値は、満期日が近づくにつれ小さくなり、満期日にはゼロになります。したがって、満期日のオプション価値は、本質的価値だけとなります。

(3)金利

オプションの売り手は、オプションが行使された場合に備えて、商品を準備しておく必要があります。この準備資金の借入費用が金利です。しかし、金利が時間価値に及ぼす影響は、比較的小さいものです。

したがって、プレミアムは、(1)行使価格が有利であるほど、(2)予想変動率が大きいほど、(3)有効期間が長いほど、高くなります。

行使価格が有利である

プレミアムは高くなる

予想変動率が大きい

有効期間が長い

参考 : プレミアム価格のグラフ

≪まとめ≫

プレミアム

 

本質的価値と時間価値からなる。

 

(1)行使価格が有利であるほど、(2)予想変動率が大きいほど、(3)有効期間が長いほど、プレミアムは高くなる。

本質的価値

 

行使価格と市場価格の差で、利益となっている部分。

 

オプションの損益状態を、ATM、ITM、OTMの3つに区分できる。

時間価値

 

将来の商品価格の変動により利益が得られるかもしれないという期待に対する価値。

 

時間価値を決定する要因には、予想変動率、期間、金利等がある。

≪問題≫

プレミアムとは、オプションの価格のことです。プレミアム価格は、●●的価値と●●価値の合計額として計算されます。

●●的価値とは、現時点でオプションを行使した場合の価値のことです。この現時点でのオプションの価値は、●●価格と市場価格の差額を指すもので、行使価格が市場価格に比べてどれだけ有利になっているのかを示しています。

●●価値とは、将来に値上がりするかもしれないという期待に対する価値です。オプションには有効期間があり、●●日までの間に市場価格がさらに有利に動く可能性があります。そこで、将来、値上がりするかもしれないという期待に対して、プレミアムを支払います。

本質的価値は、オプションの現時点での価値です。●●的価値、●●的価値、真正価値とも呼ばれています。

●●価格が市場価格より不利な場合には、オプションは行使されないため、●●的価値はゼロ未満にはなりません。

本質的価値の損益の状態は、(1)●●・ザ・マネー、(2)アト・ザ・マネー、(3)●●●・オブ・ザ・マネー、の3つに区分できます。

イン・ザ・マネー(ITM)は利益の出ている状態のオプション、●●・ザ・マネー(ATM)は損益がゼロの状態のオプション、アウト・オブ・ザ・マネー(●●M)は損失の出ている状態のオプションです。

●●価値は、(1)将来の商品価格の変動に対する「●●期待度」、(2)オプションの有効期間の「長さ」、(3)金利、の3つを尺度として計算されます。

予想期待度を測る尺度には、●●ティリティ(予想変動率)が利用されます。予想変動率が大きくなればなるほど相場変動の期待度も大きくなり、●●ミアム価格も高くなります。

10

プレミアムは、(1)●●価格が有利であるほど、(2)予想●●率が大きいほど、(3)有効期間が長いほど、高くなります。

≪解答≫

本質、時間

イン、アウト

本質、行使

アト、OT

時間、満期

時間、予想

本源、内在

ボラ、プレ

行使、本質

10

行使、変動

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