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債券の税金は、債券に生じる収入に対して課税されます。債券の収入には、クーポンによる利子収入、満期償還時に生じる償還差益、途中売却による売買益の3つの収益があります。しかし、課税対象としては、利子とキャピタルゲイン(償還差益及び売買益)に対する取扱いの2つに分けられます。
≪課税の方法≫
本題に入る前に、課税の方法について見ておくことにしましょう。
課税の方法は、大きく、分離課税と総合課税に分けられます。分離課税は、債券から生じた収入のみに注目して課税する方法です。一方、総合課税は、債券の収入を給与等の所得と合算して、その合計額に対して課税する方法で、課税額は総所得の大きさに応じて決まります。
「源泉」は、納付すべき税金を前払いする制度です。証券会社などにより債券の利子が支払われる際に、税金として天引きされます。源泉分離課税は、前払いの分離課税です。納税はこれで終了し、支払調書の提出も必要ありません。
「申告」は、翌年、確定申告により税金を支払うものです。申告分離課税は、確定申告で行う分離課税です。
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課 税 方 法 |
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課税対象
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分離課税
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債券収入に課税
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総合課税
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債券収入+給与等の所得に課税
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支払方法
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源泉
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前払いで、税金を支払う
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申告
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確定申告で、翌年税金を支払う
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それでは、債券の課税ルールを、「クーポン収入」に対する税金と、「キャピタルゲイン」に対する税金に分けて解説していくことにします。
1.個人の場合
≪利子に対する税金≫
個人の利子収入には、利付債のクーポンと、割引債の償還差益があります。
(a)利付債
債券の利子には、一律20%の源泉分離課税が課せられます。これは、利子の支払時に源泉徴収されるもので、これで税金の支払いは終了します。税金の内訳は、所得税15%、住民税5%です。
(b)割引債
割引債は、額面未満の価格で発行され額面で償還される債券です。割引債には利付債のような利子の支払いはなく、償還差益だけが収益となります。割引債の償還差益は、利付債の利子に相当します。
割引債には、一律18%の源泉分離課税が課せられます(但し、政令で指定する特定の割引債の税率は16%)。割引債の発行時に、債券価格に含めて徴収されます。発行時に先取りする点を考慮して、利付債の課税率20%より低く抑えてあります。税金の内訳は、所得税18%です。住民税はかかりません。
例えば、発行価額90円、額面100円で償還される割引債の場合、償還差益10円の18%にあたる1.8円が源泉徴収されます。つまり税込み91.8円で債券を購入することになります。これで、課税関係はすべて終了です。
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利子収入に対する税金(個人) |
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課税
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利付債
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一律20%の源泉分離課税
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割引債
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一律18%の源泉分離課税
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(c)非課税制度
65歳以上の老人、身体障害者、寡婦年金受給者などに非課税制度が設けられています。預金や債券の利子収入で生活を支えている老人、身体障害者、母子年金受給者のために設けられている、税金のかからない特別枠です。特別枠には、少額貯蓄非課税制度(新マル優制度)と、少額公債特別非課税制度(新特別マル優)があります。新特別マル優制度は、国債と公募地方債だけに適用される非課税枠です。非課税限度額は、それぞれ350万円(合計700万円まで)です。
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非 課 税
制 度 |
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少額貯蓄非課税制度 (新マル優制度)
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限度額350万円
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少額公債特別非課税制度 (新特別マル優)
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国債と公募地方債だけに適用 限度額350万円
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≪売買益(キャピタルゲイン)に対する税金≫
個人の公社債の売買益は、利付債、割引債とも、原則非課税です。しかし、転換社債と新株引受権付社債(ワラント債)と一部の割引債の売買益は、課税されます。転換社債とワラント債は、株式の課税ルールが適用されるための例外です。納税方法は、申告分離課税と源泉分離課税のどちらかを選びます。
申告分離課税は、確定申告で納税するもので、売却額から購入額や手数料を差し引いた売却益の26%(所得税20%、住民税6%)を支払う方法です。例えば、100万円で購入した転換社債を110万円で売却した場合、売却益は10万円で、税額は26,000円(10×0.26)と計算されます。損失が出た場合には、税金を支払う必要はありません。
源泉分離課税は、実際の売買損益とは関係なく、売却額(譲渡代金)の一定割合を利益とみなし、それに税率を掛け、売却額から天引きする方法です。
転換社債とワラント付社債の場合は、2.5%が売却益とみなされます。税率は20%で、売却額の2.5%に20%を掛けて計算します。これは、売却額の0.5%(0.025×0.2=0.5%)にあたります。転換社債の売価額が110万円であった場合、税額は5,500円
(1,100,000×0.005=5,500)となります。
したがって、この場合は、申告分離課税26,000円を納めるよりも、源泉分離課税5,500円を納める方が得することになります。
源泉分離課税方式は、みなし利益で算定するために、利益の多寡にかかわらず、一定額を課税してしまいます。これを利用して、大きな利益が出たら源泉分離課税を選択、損失が出たら申告分離課税を選択するという使い分けがされています。
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売却益に対する税金(個人)…原則 非課税 |
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転換社債と新株引受権付社債と一部の割引債の売買益⇒課税 ※割引債は、発行時の源泉分離課税のみ
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納税方法 |
申告分離課税
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売却益の26%を支払う 損失→税金不要
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源泉分離課税
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みなし利益の20%を天引き
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しかし源泉分離課税は、2003年3月に廃止され、申告分離課税方式に一本化される予定です。
割引債の売買益については、新たに課税されません。発行時に18%(特定のものは16%)の源泉分離課税が課されています。この発行時に徴収された源泉税は、割引債の償還を受けた人が納付したものとみなされ、償還までに売買が行われても新たに税金を支払わなくてもよいことになっています。
例外として、割引短期国債、ゼロ・クーポン債、ストリップス債、ディープ・ディスカウント債、およびディファード・ペイメント債の売買益は、譲渡所得として総合課税で課税されています。
2.法人の場合
≪利子に対する税金≫
法人の利子収入は、益金に算入され法人税として徴収されます。個人の場合と同様、利付債は、利子の支払い時に利子の20%が、割引債は、利子の18%が源泉徴収されています。この源泉徴収された税金は、法人税納付時に清算されます。控除は、債券の保有期間に対応して行われます。これを期間対応控除方式と呼びます。
≪売買差益に対する税金≫
法人が取得する公社債の償還差益は、利子収入と同様、益金に算入され法人税が課税されます。税額控除額は、期間対応控除方式によって計算されます。
3.その他の税金
有価証券取引税(有価証券を譲渡する売り手に課せられる税金)、及び、取引税(取引所への税金)は、廃止されています。また、公社債の取引には、消費税はかかりません。
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利子に対する税金 |
売買益(譲渡益)に対する税金 |
| 個人 |
利付債 |
20%(所得税15%、住民税5%) 源泉分離課税 |
国債 地方債 普通社債 |
非課税 |
| 割引債 |
18%(所得税18%、住民税0%) 一部特定のもの16% 源泉分離課税 |
転換社債 ワラント債 |
申告分離 売却益×26% 源泉分離 売却額×0.5% (見なし売却益2.5%×20%) |
| 非課税制度 |
老人(65歳以上) 身体障害者 寡婦年金受給者 新マル優限度枠350万円
新特別マル優限度枠350万円 |
割引短期国債 ゼロクーポン債 ストリップ債等 |
総合課税 |
| 法人 |
利付債 |
法人税20%(源泉徴収) (法人所得税15%、法人住民税5%) |
課税
法人税 |
| 割引債 |
法人税18%(源泉徴収) (法人所得税18%、法人住民税0%) |
| 源泉徴収分は、課税法人税税額から控除 |
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