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1.スワップとは何か
スワップは「交換」という意味で、「等価」のキャッシュ・フローを交換する取引の総称です。2者間で、同じ価値をもつ「将来の一連のお金の流れ」を交換する取引です。
契約では、お金をいつ交換するのか、その金額をどう計算するのかを決めておきます。スワップの交換は1回だけではなく、長期間にわたって数回行われるのが普通です。
2.スワップの種類
スワップ取引は、何を交換するのかで大きく2つに分けられます。金利スワップと通貨スワップです。
金利スワップは、同じ通貨間の異なる種類の金利を交換する取引です。この取引では、通常、元本の交換をしません。金利計算のために名目上、元本を決めています。これを想定元本(そうていがんぽん)と呼んでいます。
一方、通貨スワップとは、異種通貨間の異なる種類の金利を交換する取引です。この取引では、元本の交換をします。
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スワップ取引
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…等価のキャッシュ・フローを交換する取引の総称
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金利スワップ
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同じ通貨間の異なる種類の金利を交換
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元本を交換しない
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通貨スワップ
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異種通貨間の異なる種類の金利を交換
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元本を交換する
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スワップ取引は相対取引です。売り手1人に買い手1人の売買を相対(あいたい)取引といいます。これに対して先物取引は、3人以上の集団で行われる取引所取引です。
スワップ取引は、1981年にIBMと世界銀行との間で取り交わされた、米ドルとスイスフランの通貨スワップがはじめとされています。
スワップは、現物取引と比べてコストが小さく、事務手続が簡単であるため、取引が拡大しました。例えば、債務を交換するには、面倒な法的手続きが必要です。しかし、スワップ取引を使うと、金利支払い部分を交換するだけで、法的な手続きなしに債務の交換を行うのと同じ経済的効果が得られるのです。
当初のスワップ取引は、想定元本が変わらないキャッシュフローの簡単な取引でした。これを「プレインバニラ」と呼んでいます。これは、トッピングのないアイスクリームをプレインバニラというところから名付けたものです。最近は、想定元本が変化する複雑なキャッシュフローのスワップが行われるようになっています。
3.金利スワップ
金利スワップは、資金の支払いを相互に交換する取引です。変動金利(短期間毎に変更)の債務を持つA社と、固定金利(金利一定)の債務を持つB社が金利支払いを交換する取引です。
A社とB社の両社が、元本100億円、期間5年の借入金(債務)を持っているとします。A社の借入金は期間1年の変動金利、B社の借入金は固定金利5%とします。
A社は固定金利の借入金に変更したいと考え、B社は変動金利の借入金に変更したいと考えています。そこで、この固定金利と変動金利の支払いを交換することにします。
A社はB社から変動金利を受取り、固定金利を支払います。逆にB社はA社から固定金利を受け取り、変動金利を支払います。
この金利の交換を行うと、A社の借入金(変動金利)の金利をB社が支払い、B社の借入金(固定金利)の金利をA社が支払うことになります。
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A社(変動金利)
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B社(固定金利)
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固定金利に変更したい
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← 交 換 →
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変動金利に変更したい
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↓
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↓
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B社の固定金利を支払う
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A社の変動金利を支払う
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変動金利は、市場の金利水準から最初の1年間の金利のみわかっています。
変動金利が4%の場合、1年後にA社は5億円(100億円・5%・1年)をB社に支払い、B社は4億円(100億円・4%・1年)をA社へ支払います。
その結果、B社は1億円の得をします。これは、固定金利と変動金利の金利差1%(5%−4%=1%)です。
2年目に変動金利が7%になったとします。A社はB社に固定金利分5億円を支払い、B社はA社に変動金利分7億円を支払います。したがって、今度は、A社が金利差2%(7%−5%=2%)に相当する2億円の得をします。
このように、金利スワップでどちらが得をするかは、取引期間の5年が終了するまでわかりません。
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金利交換日
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A社支払
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B社支払
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1年目
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5億円
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4億円
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2年目
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5億円
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7億円
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3年目
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5億円
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?
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4年目
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5億円
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?
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5年目
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5億円
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?
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4.取引の特徴
スワップには、大きく分けて3つの特徴があります。
(1)リスクの取引
スワップ取引は、将来のキャッシュフローの交換です。変動金利の相場が将来どう変わるかで、損益が変動します。投機性のある取引です。
将来に収益が変動する危険をリスクと呼んでいます。スワップは、リスクそのものをやり取りする取引です。
(2)オフバランス取引
スワップは、「将来の時点」でお金を交換する「予約」の取引です。取引時点では、取引に資産価値はありません。したがって、企業の資産や債務の一覧表である貸借対照表(バランスシート)に計上されない取引です。これをオフバランス取引といいます。
(3)レバレッジ
スワップ取引でやり取りされる金利は、債務元本の数%です。固定金利と変動金利の差額は、さらに小さくなります。小さな金額で債務元本相当の取引が行えるという特徴があります。少ない資金で多額な資本を動かす取引の仕組みを、「てこの原理」からレバレッジ(てこ)があるといいます。スワップ取引は、レバレッジの高い取引です。
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スワップ取引…将来の時点で、お金を交換する予約取引 |
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リスク取引
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将来、収益が変動する危険がある
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オフバランス取引
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取引時点では資産価値がないため、 バランスシートに計上されない
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レバレッジ
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やり取りする金利は少額だが、 想定元本相当の取引ができる
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