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1.お金と経済
≪景気とは何か≫
景気とは経済活動の勢いのことです。経済とは生産と消費の循環活動です。
モノがよく売れて企業の利益が上がり、個人の所得が増えるよい状態を好景気とか好況といいます。世の中の金まわりがよく、経済活動が活発な状態です。 逆に、モノの売れ行きが悪く企業の利益が減少し、個人の所得が減る悪い状態を不景気とか不況といいます。世の中の金まわりが悪く、経済活動が不活発な状態です。
経済活動の状態は、常に変化しています。これを景気変動といいます。
≪景気の循環≫
家計の懐具合が良いとモノの消費が増え、景気は良くなります。企業は生産を増やすことができます。しかし、モノが売れすぎると、モノの値段は上がります。すると、モノが売れなくなり、景気は悪くなります。企業は生産を控えはじめます。モノが売れなくなると、モノの値段は下がります。すると、またモノが売れはじめ、消費が増えて景気は良くなります。このように景気は循環しています。
参考 : 景気
2.お金の価値
お金はこの世の中で一番大切なものに見えます。しかし、お金がありがたいのはモノやサービスが買えるからです。もし、モノやサービスがなかったら、お金を持っていても意味はありません。
モノとおカネの関係を簡単な例で考えてみましょう。
この世の中にモノとしてハンバーガー1個、お金は100円玉1枚しかないと仮定します。その時、ハンバーガーの値段は、100円となります。ここで世の中に100円玉がもう1枚増えると、ハンバーガーの値段は200円となります。通貨量が増えると、ハンバーガーの値段が上がります。また、100円玉1枚ではハンバーガーが買えなくなったのですから、通貨の価値は下がってしまうことがわかります。
通貨量が増えると、モノの価値が上がり、貨幣価値が下がります。一般に、物価が継続的に上がり、貨幣価値が下がっていく状態をインフレと呼んでいます。
逆に、世の中のお金が50円玉1枚に減ってしまったら、ハンバーガーの値段は
50円に値下がりします。ハンバーガーは100円ではなく50円で買えるのですから、貨幣価値が上がったことになります。
通貨量が減ると物価が下がり、貨幣価値が上がります。この物価が継続的に下がっていく状態をデフレと呼んでいます。

モノの値段は、それを買いたいという需要と、それを売りたいとする供給の力関係で決まってきます。買い手が売り手より多ければ、モノの値段は上がっていきます。逆に、買い手より売り手が多ければ、モノの値段は下がっていきます。
つまり、需要と供給のギャップがインフレやデフレの原因です。買い手が売り手より少ないときには、世の中のおカネの量を増やして、買い手(需要)を増やせばよいのです。
需要と供給をうまく均衡させれば、物価は安定します。そこで政府は、不景気の時には金融政策や財政政策を行って、世の中のおカネの量を増やそうとします。
お金は様々な経済活動の中を流れています。世の中のお金の量を増やせば、景気がよくなるように見えます。しかし、生産規模が変わらない状態でお金の量を増やすと、インフレになってしまう危険性があります。
お金は、需要を作りだし景気をよくするきっかけにはなるのですが、供給が間に合わないとインフレを引き起こします。不景気の時に少しだけお金の量を増やすと、景気回復のきっかけを作ることができます。
参考 : インフレとデフレ インフレーション デフレーション
3.金融の役割
世の中にあるお金の量をマネーサプライと呼んでいます。マネーサプライは、現金と預金の合計です。現金は、政府が印刷したものですが、預金は、民間銀行が預金と貸出しを繰り返すことによって創造したおカネです。
経済活動が活発になり、企業が銀行からの借入れを増やすと、通貨量は自然と増えてきます。世の中のお金の量であるマネーサプライは、伸縮自在のゴムのように伸び縮みしています。
預金や貸出しの大きさは、景気に応じて決まります。好景気のときには、企業は、生産設備を増やそうとして銀行からの借り入れを増やします。銀行がお金を貸し出すことによって、マネーサプライは増加するのです。これが銀行の信用創造機能です。
参考 : 信用創造
銀行は、マネーサプライを調整する重要な役割を担っています。もし、銀行が故意に貸し渋りを行ったりすると、お金の流れが止まり、経済活動を沈滞させる原因を作ってしまいます。
金融の役割は、経済活動に応じてマネーサプライを調整してやるところにあります。経済活動の取引過程で生じるおカネの過不足を調整して、経済の需要と供給に望ましい均衡を実現させるところに金融の使命があります。
参考 : マネーサプライ(通貨供給量)
4.金融ビッグバン
金融ビッグバンは、1996(平成8)年11月に第2次橋本内閣が提唱した、金融制度改革のことをいいます。英国のビッグバンと区別する意味で、日本版ビッグバンとも呼ばれています。
金融ビッグバンは、2001(平成13)年には東京市場をニューヨークやロンドンのような国際市場にする、ということを目的に行われた改革です。
◆ビッグバン
ビッグバンは、1986(昭和61)年10月に英国のサッチャー首相によって、英国証券取引所で行われた証券制度改革のことをいいます。宇宙創世のときの大爆発にたとえて、ビッグバンと呼ばれています。
ビッグバンは、国際金融センターとしての、シティの地位を確立することを目的に行われた改革です。
≪規制緩和・撤廃≫
金融ビッグバンは、金融市場の規制を緩和・撤廃して、金融市場の活性化や証券業界の国際化をはかろうというものです。
◆外為法の改正
外為法を改正して、一般企業でも外貨を自由に取引できるように、外国為替業務の自由化をはかりました。個人でも、外貨預金が自由に持てるようになりました。
参考
: 外為法改正(1)外為法改正の経緯 外為法改正(2)新改正外為法の変更点
◆銀行と証券、生保と損保の業務の相互参入
銀行業務と証券業務の垣根を取り払う規制緩和が進められています。持ち株会社を通して、銀行は証券業務に、証券会社は銀行業務に参入できるようになりはじめています。
一方、保険業界でも、生命保険と損害保険の業務相互乗り入れが始まっています。
参考
: 保険会社(3)保険業の自由化
◆間接金融から直接金融へ
企業の資金調達方法が、銀行借入れから、株式や社債の発行による方法に変わりつつあります。個人の貯蓄方法も、預金から、投資信託や株式などの商品に移り始めています。こうした証券の形でお金が流れることを証券化(セキュリタイゼーション)と呼んでいます。
これは、日本の金融システムが、間接金融から直接金融へ移行し始めていることを示しています。
参考
: 直接金融と間接金融 セキュリタイゼーション
≪3つの原則≫
金融自由化には、3つのキーワードがあります。フリー(自由)、フェア(公正)、グローバル(国際化)です。
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金融ビッグバン
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フリー(自由)
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フェア(公正)
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グローバル(国際化)
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自由な取引とは、金融商品の金利も個々の銀行ごとに自由に設定される自由競争を意味します。
自由競争をするためには、取引が公正に行われる必要があります。取引相手双方が十分な情報を持っていることが公正な取引を保証します。金融機関も個人も同等の情報を持っていることが前提です。
例えば、不良債権を十分な情報を持たない個人に売りつけるようなことは許されません。フェアな取引ができるかどうかは、金融機関の情報開示にその鍵が隠されています。
自由、公正、国際化というコンセプトを実現できるかどうかは、取引参加者のモラル(倫理)が重要になります。
金融の基本は、信用だからです。
5.自己責任の時代
金融取引は必ずリスク(危険)が伴っています。国債といえども無リスクではありません。国債なら必ず返してもらえるから安全だと思われますが、もし、インフレにより返済時の貨幣価値が下がっていれば、あなたは損をしてしまいます。投資はプロに任せるのが一番と、投資信託へお金を託しても、元利の安全は保証されていません。将来のことはプロにもわからないのです。もしわかっているなら、わざわざあなたに教えてくれるでしょうか。
間接金融から直接金融に移行する流れが意味するものは、個人も投資先のリスクを直接に負わなければならないということです。金融を自己責任で行う時代がやってきたのです。自らの手で情報を収集し、判断していく時代を迎えています。
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