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金融大学  金融取引入門講座

講師 :有馬秀次

第1回 金融とは何か

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1.金融とは何か

≪金融の意味≫

金融という言葉には、大きくわけて2つの意味があります。広義ではお金の流れという意味に、狭義ではお金の貸借という意味に使われています。

お金の貸借というのは、お金の余っているところからお金の足りないところへ、「お金を融通すること」をいいます。一時的な過不足を調整するためのお金の貸し借りのことです。

≪金融の役割≫

私たちの暮らしは、モノ(財)やサービスを交換する活動で成り立っています。モノやサービスを交換する取引により、生産と消費という活動は循環しています。この循環活動を経済といいます。
モノやサービスの交換取引は経済の基本です。この交換取引を支えているのが「お金」です。

◆お金の流れ…「場所を越えての交換取引」の実現

お金がない古代社会では、物々交換をしていました。物々交換は、かなり不便な取引です。取引相手が自分の欲しい物を持っているとは限らず、交換の機会が限定されていたからです。この不便さを解消したのがお金です。

お金は、異なったニーズを持つ買い手と売り手との間を仲立ちし、さまざまな交換取引を可能にしました。売り手と買い手が地理的に離れた場所にいる場合でも、お金が両者を結ぶ接点となることで、交換取引が行えます。
この場所を越えての交換取引の実現が、お金の大きな役割です。

お金と経済活動は、表裏一体の関係にあります。交換取引の裏には常にお金の流れが存在し、逆に、「お金の流れ」を見れば経済がわかります。お金の流れ(=金融)は、経済生活を支える大切なシステムとして経済に根付いています。

◆お金の貸借…「時間を越えての交換取引」の実現

私たちの経済社会の中では、しばしばお金が足りなくなることがあります。こんな時、お金が貸し借りできれば、時間を越えた交換取引が可能になります。クレジットカードやローンなどを利用することで、今はお金がないけれど、後で支払うという取引が実現します。お金の余っているところから足りないところへ、一時的なお金の過不足を貸借で調整することによって、交換を円滑に進めることができるのです。
この時間を越えての交換取引の実現が、お金のもう1つの大きな役割です。

こうしたお金の役割から金融という言葉は、広義では「お金の流れ」という意味で、狭義では「お金の貸借」という意味で使われています。

経済活動
(円滑な交換取引)

お金の役割 

広義

お金の流れ

不特定多数の相手との交換を実現

場所

狭義

お金の貸借

一時的なお金の融通

時間

お金の流れ(=金融)と、一時的なお金の貸し借り(=金融)は、経済活動を円滑かつ活発にします。これら2つの金融がうまく機能することで、経済活動を促進させることができます。そのため、金融は「経済の潤滑油」と呼ばれています。経済の発展には、金融という仕組みは欠かせないのです。

2.経済とは何か

≪経済の意味≫ 

経済とは、社会生活を営むためのモノ(財)やサービスを交換する仕組みのことです。

私たちの暮らしには、モノ(財)やサービスが必要です。モノやサービスを消費するためには、モノやサービスを生産する必要があります。しかし、生活に必要なものをすべて自分で生産するのは大変です。それぞれが生産したモノやサービスを交換し合えば、お互いに満足できる消費が可能になります。

私たちの暮らしは「生産」と「消費」の繰り返しですが、生産されたモノやサービスを交換することで、生産と消費の循環は、自給自足の生活に比べてずっと豊かなものになります。

経済=モノやサービスを交換する仕組み

生産


消費

≪経済とお金≫

私たちの暮らしは、企業がモノやサービスを生産し、家計(家庭)がそれらを消費するといった、生産と消費の循環活動で成り立っています。

生産と消費の循環活動は、人々が暮らしに必要なモノやサービスを交換することによって成り立っています。この交換を円滑にしているのが、お金です。

経済活動

生産と消費の循環活動

交換取引
「お金」

◆お金の流れ

経済は、(1)モノやサービスを生産する企業、(2)モノやサービスを消費する家計、(3)公共サービスを提供する政府、の3部門に分けることができます。

家計(家庭)は、企業からモノやサービスを購入します。そのかわりに企業にお金を支払います。企業は、そのお金で工場を建てたり、原材料を購入したり、従業員に給料を支払います。また、国や地方公共団体に税金を支払います。企業から給料をもらった家計では、モノやサービスを購入し、税金を払い、残りを貯金にまわします。ふたたび、モノやサービスを購入した家計から企業にお金が流れます
一方、
国や地方公共団体は、企業や家計から支払われた税金を、教育や福祉といった公共サービスにあてたり、道路や橋の建設等の公共投資に使います。

このように、経済活動は、お金を媒介してモノやサービスが交換されていく活動です。経済活動は、お金の流れに投影されます。したがって、お金の流れを見ると、経済の活動状態を掴むことができます。

経済社会の中で交換が活発に行われると、お金の流れも活発になります。これを好景気といいます。逆に、交換が不活発になると、お金の流れも不活発になります。これを不景気といいます。
不景気になると、世の中の金回りが悪くなり、モノが売れなくなります。つまり、需要が足りない状態です。したがって、不景気の時には、政府が
公共投資を増やしたり減税をして、需要を補うのが景気回復の早道と考えられています。

部門

お金の流れ (受取り→購入→支払い)

家計

企業から給料をもらう

モノやサービスを購入→企業へ
税金を払う→政府へ
残りを貯金

企業

家計からモノやサービスの
購入代金をもらう

工場建設、原材料購入→他の企業へ
従業員に給料を支払う→家計へ
税金を払う→政府へ

政府

企業・家計から税金をもらう

公共サービス・公共投資に利用

次回は、「お金」についてお話します。

≪まとめ≫

金融とは何か

広義では「お金の流れ」、狭義では「お金の貸借」という意味に使われる

一時的なお金の過不足を調整するための、お金の貸し借り

お金の役割

「場所を越えての交換取引」の実現

「時間を越えての交換取引」の実現

経済とは何か

社会生活を営むためのモノやサービスを交換する仕組み

交換を円滑にしているのが「お金」

経済活動

経済活動は、「お金の流れ」に投影される

お金の流れで、経済の活動状態がわかる

≪問題≫

金融という言葉は、広義では「お金の●●」という意味に、狭義では「お金の●●」という意味に使われています。

「お金の貸借」とは、お金の余っているところからお金の足りないところへ、「お金を●●すること」をいいます。一時的な過不足を調整するためのお金の貸し借りです。

モノやサービスの交換取引により、生産と消費という活動は循環しています。この循環活動を●●といいます。また、モノやサービスの交換取引を支えているのが、お●です。

売り手と買い手が地理的に離れた場所にいる場合でも、お●が両者を結ぶ接点となることで交換取引が行えます。「●●を越えての交換取引」の実現が、お金の大きな役割です。

一時的なお金の過不足を貸借で調整することによって、交換取引を円滑に進めることができます。「●●を越えての交換取引」の実現が、お●のもう1つの大きな役割です。

金融は「●●の潤滑油」と呼ばれています。経済の発展には、●●という仕組みは欠かせません。

経済とは、社会生活を営むためのモノやサービスを●●する仕組みのことです。交換取引により、生産と消費の循環は、自給自足の生活に比べてずっと豊かなものになります。

私たちの暮らしは、企業がモノやサービスを●●し、家計がそれらを●●するといった、生産と消費の循環活動で成り立っています。

経済は、(1)モノやサービスを生産する●●、(2)モノやサービスを消費する●●、(3)公共サービスを提供する●●、の3部門に分けることができます。

10

経済社会の中で交換が活発に行われると、お金の流れも活発になります。これを●●気といいます。逆に、交換が不活発になると、お金の流れも不活発になります。これを●●気といいます。

≪解答≫

流れ、貸借

経済、金融

融通

交換

経済、金

生産、消費

金、場所

企業、家計、政府

時間、金

10

好景、不景

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